草裙娃娃呼啦啦(フラガール)

《草裙娃娃呼啦啦》松雪泰子蒼井優豊川悦司富司純子岸辺一徳山崎静代 
李相日:監督


普通に面白かったのだが、賞を総なめするほどの映画なのかと少し疑問に思いながら見た。ひねくれているとは思うのだが。
人生ドンズマリ、必死で頑張れば、なんとかなるかもしれない。いやもうやるしか無いんだ。みなが必死になって生きている昭和40年代。ねじれた今とは違う、一直線な思いがちゃんと通用した時代。誰もが冷めていない、熱い思いを心に抱えていた時代の話しだ。


作り手たちは、そんな時代を懐かしく思ってか、世の中そうあって欲しいという願いを込めたのか。20代の人は生まれてなどいない、30代だって記憶になんかない。彼らはどういう思いでこの映画を見たのだろうか。頑張ってもたかが知れている世の中に生きていても、頑張ればなんとかなる時代に実は憧れているのだろうか? いやいやそんな事よりも単純に映画を楽しんだのかもしれないのだが、ついついそんな事を考えてしまった。いや私だって、頑張れば(何を)まだまだいけるのかもと、変な勇気を貰ってしまう映画だった(笑)。


女優陣はみな個性的で良かった。松雪泰子もテレビで見ていた頃に比べ、ずいぶんと骨太な存在になっていたのにびっくり。富司純子もどすが利いていた。しずちゃんは体だけでなく、演技でも存在感があった。


香港人には時代背景が分からないだろう。香港は、日本に比べたら、頑張ったらまだなんとかなる場所だと思う。共感は得られただろうか。
2007.8.1@百老匯電影中心


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