《出埃及記》粗口でもIII級にならず

今日の「頻果日報」1面。これまではどんな香港映画でも粗口(スラングのうち特に汚い言葉)が含まれると、影視及娯楽事務管理處がかならずIII級に指定し、未成年は見る事が出来なかった。昨日から上映された《出埃及記》では突然その禁を破り、劇中主役は何回もはっきりと粗口をいい放った。この映画は粗口の台詞があってもIII級に指定されなかった初めての作品になった。影視處は、ただ時代の変化に合わせただけで、粗口の台詞がある映画が必ずしもIII級になるとは限らないと説明した。映画界はこれを大いに歓迎、文化界はそれほど楽観はしておらず、影視處の基準が一時的なものではないかと心配している。


彭浩翔(パン・ホーチョン)監督の《出埃及記》は昨日、香港で公開になった。映画はIIBで、どんな年齢でも鑑賞可能だ。映画には広東語の粗口の台詞が何回も登場するが、これまでとは違い、III級になることはなく、18歳以下のどんな観客も汚い言葉を聞くことになる。


映画の等級を審査する影視處電影検査組(俗称:電検處)は今回禁を破った。これは彭浩翔にとっても思いもよらないことだった。本紙が昨日影視處に問い合わせたところ、娯楽事務管理主任の黄さんは「時代の変化や観客の受容能力を考え、私たちも調節が必要だ。私たちが映画を審査する時には、1本の映画の台詞で決定しているのではなく、映画全体を見ている」と回答した。
影視處は、映画の等級を考える要素には、観客の映画に対する反感、劇中の粗口の台詞がどんな意味を持っているのかなどが含まれるとしている。「この映画を市民に見せたところ観客はこの映画の粗口の台詞に対して反感を感じなかった。従って私たち内部ではこの映画はIII級にする必要はないと考え、最後に映画はIIB級の映画になった」。
記者はさらに電影検の基準が緩くなったのかと問うと、黄さんは「時代の変化は観客の道徳観念に影響を与える。暴力などについてはまた違う見方がある。私たちは外国の映画等級の基準も参考にし、つねに調節をしている」といい、さらにこの映画をIII級にしなかったことは、電影検が映画製作者たちに粗口の使用を奨励しているわけではない。黒社会を題材にした作品については、今までと同様に厳しい基準だと話した。


現在トロント映画祭にいる彭浩飛は、この映画がIII級を免れたことについて、驚きほっとしている。物語の人物を生き生きしたものにするため、劇中何シーンか粗口を話す必要があると考えたという。出資の星皓公司の社長・王海峰(アレキサンダー・ウォン)は、《出埃及記》がIII級を免れたことは意外なことだが、嬉しいと話した。なぜなら映画を電検に送る前には電検がこのような開かれた態度を示すとはまったく考えていなかったからだ。今後もこの態度を保ち、映画界により自由な創作空間を与えてくれるように願っていると話した。(略)by 2007.9.14「頻果日報」

この記事を読んで、先日《出埃及記》を見た時(id:hkcl:20070905)に、温碧霞(アイリーン・ワン)の台詞で「これは聞いたことのない言葉だ」と思ったものは粗口だった事が判明。
映画で粗口の台詞があるとIII級といわれていたので、確かにこれは画期的だ。しかし1面にするような記事だろうか(笑)。粗口を一番言っているのは実は大学生らしいが、やはり下品なので親しい人以外には使わない方がいいと思う。時々、町中であらゆる言葉の間に分かりやすい粗口を挟んで大声で話す人に出くわすと、やはりちょっと身構えてしまう。そういう人は風体からして粗野だったりすることも多いし。