2つの《一代宗師》

2002年の澤東が撮影を宣言していた梁朝偉トニー・レオン)主演の映画《一代宗師》は、映画の版権が満期になり、黄百鳴(レイモンド・ウォン)の「東方電影」の手に渡り、甄子丹(ドニー・イェン)主演になって、現在2人の一代宗師が出現している。葉問の長男の葉準師匠は、《一代宗師》にはどんな版権もないし、期限もなく、澤東の脚本が出来上がるのを待って、梁朝偉は撮影に入ると話している。


功夫のスーパースター・李小龍ブルース・リー)の師匠である葉問の生涯を描くこの映画は、映画会社の興味をそそる題材になっている。葉問の長男・葉準は、この映画が父親の偉業と詠春武術の発展と発揚のためになればよいと考えており、父親の生涯についての撮影には、どんな権利も存在しないし、期限もない。監督の王家衛(ウォン・カーワイ)はいつ《一代宗師》を撮りはじめても何ら問題はなく、葉家の人々もサポートを表明しているという。


葉準は監督の王家衛が《一代宗師》撮影の為に多くの時間をさいて資料を集めているを知っており、王家衛と黄百鳴の父親を題材としたどちらの映画でも顧問をつとめている。2本の作品はその方向性が異なっている。王家衛は葉問の武術の神髄が主で、黄百鳴の撮影は詠春功夫に重点がおかれる。2つの作品が求めるものは異なるため、2本が争うということはないだろう。


黄百鳴に葉問役を指名された甄子丹は、現在は自分がこの役を引き受けられるのか考慮中だという。というのは、詠春を見せなければならないこと、《導火線》で体力を消耗したため、休養し鋭気を養う時間が必要なこと、加えて撮影時期が妻の出産時期と重なると妻に付き添わなければならないことなどをあげている。


一方澤東の彭綺華は、黄百鳴が葉問師匠についての映画を撮ることについては、歓んでおり「お互いに目的は葉問先輩の武術精神の発揚にある。多くの人が葉問に関心を持つのはよいこと。さらに両者は撮影の方法も題材も異なるため、争って撮るというようなことは起こらない」と話している。


また梁朝偉が葉問を演じるための準備はどうなのかと問うと、彭綺華は、梁朝偉はすでに映画出演のために、葉準師匠について詠春を習っている。今年の初めには、「一代宗師」の生涯をより詳細に撮影するため、脚本作りの助けになるようにと、張同租(ジョー・チャン)とスタッフが佛山に赴き葉問についての資料探しをしている、と語った。by 2007.10.16「東方日報」

いくら手法が違っても、同じ題材で2本はどうなのか? それに、これは発表になった時から思っていたが、いくら詠春を(付け刃で)習ったからといっても、やはり梁朝偉の葉問は、ないんじゃないのかと・・・。