深海尋人

《深海尋人》李心潔(アンジェリカ・リー)、梁洛施(イザベラ・リョン)、郭暁冬(グオ・シャオドン)、張震チャン・チェン)、張震嶽チャン・チェンユエ)、梁家輝(レオン・カーファイ) 
徐克(ツイ・ハーク):監督


医者の高静(李心潔)は友人・小凱(梁洛施)に誘われていった写真展で、自分が大写しになった写真を見て驚いた。これらは小凱の兄の陳國棟(郭暁冬)が撮ったものだった。これがきっかけになり静と國棟はつき合うようになった。國棟はある日、静に与那国島の海底の不思議な話しを聞かせた。その週末3人は与那国島に向かった。
しかしその2週間後に國棟は帰らぬ人となっていた。葬儀場にやってきた小凱は静に向かって、その死体は兄ではないといいはるのだった・・・。


ミステリーなのでストーリーはここまでだが、他の配役を紹介しておこう。静がつとめる病院の医院長に梁家輝、静の患者に張震、台湾の海洋学者に張震嶽


ダイビング、与那国島という興味を引く題材を投入していながら、これらがきっかけにしかなっていないところが非常に惜しい。沖縄の風景や与那国島の海がふんだんにでてくるものと期待していると、意外に少ない登場に少々がっかり。与那国島海底遺跡も物語のほんのきっかけで、物語を引っ張って行く原動力にまで成り得ていない。途中で話のつじつまが合わないのではとか、超常現象で誤摩化されるのではと思っていると、話しはきっちりつじつまがあっており、物語が「愛」に帰結していくのはいいのだが、その種明かし部分にもう少し工夫が欲しいところ。いま1つ物語の"山"が感じられないので、映画が平板な感じがしてしまう。


李心潔は想像通りに役を演じ、驚きに値するところがない。梁洛施も別に彼女でなくてもよく、魅力的に見えない。そんな中で1人存在感を示しているのは張震で、李心潔と彼が出て来ると主客が逆転してしまうほど張震が強烈だ。梁家輝は客演程度で、出番も多くないがまっとうに演じている。張震嶽は、風貌に騙されてしまって可も無く不可も無く。郭暁冬も同じく、なお彼の台詞は広東語に吹き替えられている。
2008.6.13@新寶戲院


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