赤壁(レッドクリフ)

《赤壁》梁朝偉トニー・レオン)、金城武、張豊毅(チャン・フンイー)、張震チャン・チェン)、呉軍(フー・ジュン)、林志玲(リン・チーチン)、趙薇(ヴィッキー・チャオ)、尤勇(ヨウ・ヨン)、宋佳(ソン・ジア)、佟大為(トン・ダーウェイ)、中村獅童 
呉宇森ジョン・ウー):監督


大作&登場人物が多いという私にとってはマイナス要素が多いなかでは、思いのほか面白かった。2時間半と長いが、緩急の付け方がうまく、武と文のバランスがよく、飽きそうになると戦いの場面がやってくる。


三国志に関しては、かつて三国演義を部分的に読んだことがあるぐらいで、それぞれのキャラクターに思い入れもないし、キャラクターに決まったイメージも持ち合わせていない。従って自分のイメージと役が違うのではという思いはなかった。
ただ当初のキャスト、周瑜を周潤發(チョウ・ユンファ)、諸葛亮梁朝偉の組み合わせを見てみたいと思った。梁朝偉周瑜は悪いことはないが、すばらしくよいこともない。見ていると、やはりこの役は周潤發を想定して脚本を書いたのではないかと思えたからだ。理由をうまく説明できないが、梁朝偉では少し線が弱いのではと感じた(あと梁朝偉はかぶりものが似合わない)。ただ本当は38歳だかで亡くなっているので、どちらも歳をとり過ぎではある。諸葛亮は、よくも悪くも金城武諸葛亮で、ひどくモダンなたたずまいになっていて、まあ変だといえば変だが、私は面白かった。もちろんこの役を梁朝偉が演じても問題はなかっただろうと思う。そして張豊毅が上手い。張震も面白い登場。全体にとにかく人物の作り方がモダン。台詞も現代的なのではと思った(分かりやすかったから)。
梁朝偉林志玲のラブシーンが話題になっていたようだが、《色・戒(ラスト、コーション)》に比べたらまったくのお子様状態。


なお梁朝偉金城武の声は吹き替え。もちろん中村獅童も。それ以外の人は自分の声だと思う。2008.7.13@旺角百老匯


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その後、映画評論家の紀陶さんとお話をする機会あり。かいつまんだ感想を話すと、「当初のキャスティングは最高のキャストだったんだ。ストーリーをなぞっただけでは今この映画を撮る意味がない。モダンにしてこそ意味がある」と。