我不賣身 我賣子宮(崖っぷちの女たち)(性工作者2 我不賣身 我賣子宮)

監督と出演者たち。劉美君(プルーデンス・ラウ)、黄婉伶(レース・ウォン)、黄秋生(アンソニー・ウォン)、邵音音(スーザン・ショウ)、董敏莉(モニー・トン) 
邱禮濤(ハーマン・ヤウ):監督


2000年の香港、深水埗の街頭に立つ風俗嬢の黎鐘鐘(劉美君)と、年の離れた香港人の夫が亡くなり、乳飲み子とお腹に双子をかかえて大陸(広東省のどこか)から深水埗にやってくる蓮花(黄婉伶)を中心に、方や風俗業で体を売り、方や子供を竪に香港の居住権と豊な生活を得ようとする人を描く。


劉美君は街頭に立つヤク中の若くない風俗嬢を演じる。ヤク中で歯がぼろぼろになっており、だれかれかまわず声をかけるが、若い北菇(大陸からやってきた風俗嬢)に客を取られると嘆く。ある日、車にぶつかりそうになった子供を助けたところをカメラマンの男(森美)が写真に撮ったのが始まりで男は密かに彼女を盗み撮りするようになる。劉美君はある時、今が2000年だと知り、ある人に会いに行くため、がたがたの歯を綺麗にすると言い始める。
黄婉伶は説得されしぶしぶ年の離れた香港人の男と結婚するが、この男、当然香港には家族があり、大きな娘もいる。男が亡くなって、子供を連れさらに大きなお腹で香港に出て来る。田舎では香港人の金持ちと結婚したことになっており、意地でも香港で子供を生み、香港の居住権を取って暮らすといいはる。
カメラマン(森美)は、対象とする社会に入り込んで写真を撮るタイプ。労働者の生活を知るため、日雇いの仕事をしようとし、風俗嬢を取材し密かに彼女を付けて写真を撮るようになる。これらの人々の間を繋ぐのが保険屋の劉(黄秋生)。


出色は劉美君。化粧もせず、たぶんほぼ素顔で、それもヤク中の風俗嬢を演じている。少々頭も悪そうだが、憎めない風俗嬢をとにかく好演。もう1人の出色は黄婉伶。キイキイ声で子供を叱り、自己主張する気の強い大陸女をこれまたうるさいほどによく演じている。
前作《性工作者十日談》は少しシリアスだったが、今回は計算ばかりしている保険屋の黄秋生も含め、劉美君にも黄婉伶にも少しコメディ要素があり、より娯楽映画になっていた。
2008.10.10@Palace Ifc(香港亞洲電影節)


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