Sweet Rain 死神の精度(甜言密雨)

金城武冨司純子小西真奈美光石研石田卓也村上淳奥田恵梨華吹越満 筧昌也:監督


日本では公開済みなのでストーリーは省略。小説は読んでいた。
ある小説を基した映画では往々にして小説のイメージと映画のイメージの違いに戸惑うことが多い。この映画ではもちろん小説を読んで得たそれぞれの人物イメージと映画の中のイメージには「ずれ」があるのだが、その「ずれ」は「あ、なるほど」と思えるずれで見ていてとても嬉しいずれだった。
元の小説から3つの物語をピックアップし、3つを関連付け年代も変えたことが、小説とは違う世界を作り上げるのに成功している。特に2話目は死神の調査対象であるヤクザの藤田(光石研)が本来主人公であるべきところを、子分の阿久津(石田卓也)に焦点をもっていくようにしている。2話目を見ると、観客はこの後も物語が繋がっていくに違いないと思い、3話目でそれを確信する。そして3話目に登場する冨司純子がとてもいい。冨司純子ってこんなにいい女優だったのかと再認識した。
最後に金城武は、浮世離れした役はぴったりだが、相変わらず滑舌が悪い。時々何を言っているのか分からず、思わず中文字幕を読みそうになった。
2008.10.11@Palace Ifc(香港亞洲電影節)


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