「角色介入的心腦交戰」

左から黄秋生、林嘉欣、張偉雄、林紀陶出席:黄秋生、林嘉欣、林紀陶、張偉雄、
於:香港電影資料館。
香港電影資料館で開かれている特集上映「光影玩轉腦電波」に関連した座談会。
黄秋生(アンソニー・ウォン)も林嘉欣(カリーナ・ラム)も何も準備をしてきていないといいながら、特に黄秋生はよく話していた。記憶していることをおおまかに少しだけ。

  • 嘉欣:《怪物》の食事シーンは、監督の鄭保瑞が何もアイデアを持っていなかった。ここで何かして欲しいと言われ、考えてやってみた。いわば即興。親子が一緒にいるのを思い出すのがいいと思い、食事をするシーンにしてみた。子供が箸でたべないので、しゃもじを渡してみるが、やっぱり食べない。するとカンが目に入るので、子供がカンを見て、飲みたいと思っているのだと思い、開けようとするが、開かない。ついには口で開けようとして自分が怪我をしていしまうというシーンにしてみた。
  • 秋生:《人肉叉焼包》は最初は殺人鬼を演じるだけだったのだが、出資者が満足しなかったので、強姦シーンが出来上がった。自分はやりたくなかったし、すごくいやな気持ちだった。撮影中にロケ場所の茶樓で1人部屋に籠っている時、どうしたらいいかと考えていた。ちょうどハロウィンが近い時期だったので、この映画を香港の人へのハロウィンの贈り物にしよう思い、ようやく演じることができた。
  • 嘉欣:《異度空間》を撮る前には、精神を病んだ人がくる施設(病院か?)に監督が連れて行ってくれ、観察をした。
  • 秋生:(一度にいくつもの映画をかけもちで撮っていて混乱することはないかと聞かれ)例えば、夫であるとき、子供の父親であるとき、母親といるとき、友人と一緒のとき、会社にいるときなど、異なる身分の時に自分の立場を間違えることがないように、異なる役を演じていても混乱することはない。
  • 嘉欣:(普通ではない役が多くオファーされることについて)何故か私にオファーしていくるのはそういう役が多い。どれも共通点がある役をオファーされる(その共通点が何ないかは語っていない)。自分がデビューした時には、すでに香港映画は下り坂だったし、今映画製作が少なくなっている中で、いろいろな役をオファーされるのは、とても幸運だと思っている。
  • 秋生:演じている自分を見ている自分がいる。例えば、手を前に延ばす動作が必要だとすると、手はどうやって延ばすのか、どの角度で出すのかといった事を考え、やっている姿を頭で思い浮かべ、実際に演じる時にはそのイメージどおりに演じている。
  • 嘉欣:映画は結局のところ自分にとってはすべて「感覚」から出てものだと思っている。それは初めて映画を撮った時からそう思っている。
  • 秋生:(これまで撮った映画で一番好きな作品はとの質問に)この答えは決まっているんだよ。それはまだ撮ってない映画っていうんだ。だってそう言わないと、もうオファーが来なくなっちゃうだろう(爆)。《人肉叉焼包》より同じ時期に撮った《的士判官》の方が好きだ。でも《人肉叉焼包》は自分にさまざまなものをもたらしてくれた。