目露凶光

《目露凶光》劉青雲ラウ・チンワン)、梁家輝(レオン・カーファイ)、郭藹明(エイミー・クォック)、黎耀祥(ライ・イウチョン)、許紹雄(ホイ・シュウホン)、李尚文(デビット・リー)、關秀媚(スーキー・クワン) 
林嶺東(リンゴ・ラム):監督 1999年


ある夜、不審車が駐車場の料金係をひき殺して逃走した。現状を調べた警察は、主のいない車と顔写真の入ったカードを発見。顔写真の男・馬文信(劉青雲)の家に駆けつけたCIDのPit哥(梁家輝)らは家宅捜査をする。さらに馬文信の彼女・Amy(郭藹明)を警察に同行、駐車場の監視カメラの映像を確認すると、そこには馬文信が何者かに誘拐される姿が映っていた。ほどなくして誘拐犯からAmyに、薄扶林の廃ホテルに馬文信を受け取りにこいと電話がかかってくる。
Pit哥、Bee(黎耀祥)、Amyは30年前に一家皆殺し事件が起こった曰く付きの廃ホテルに向かった。不気味な室内に馬文信が逆さに吊るされてるのを発見した。誘拐犯から解放され家に戻った馬文信は、口を閉ざして家に引きこもり、次第に奇妙な言動をするようになるのだが・・・。


初めて見たのはVCDだったために、さほど面白く感じなかったが、今回スクリーンで見て、かなり面白かった。始まってすぐから血なまぐさいシーンがあり、全編に渡ってホラー色と陰鬱な雰囲気が漂っているため、けして楽しい映画ではないし、夜の場面も多く画面も暗い。しかし誘拐事件の裏に隠れている本当の犯罪を探って行くミステリー要素と、廃ホテルと30年前の殺戮事件、古い広東語の歌謡曲、馬文信の何かに取り憑かれたような行動など、どろっとして重苦しい息詰まる雰囲気が今見るととても面白い。公開から10年たっているわけだが、古さを感じない。
今は杜組とみなしていい俳優たちが参加しており、鄭保瑞(チェン・ポウソイ/ソイ・チェン)が副導演だった。
2009.1.17@@香港電影資料館「光影玩轉腦電波」


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