游龍戲鳳

《游龍戲鳳》劉徳華アンディ・ラウ)、舒淇(シュウ・ケイ/スー・チー)、何韻詩(デニス・ホー)、張涵予(チャン・ハンユー)、林嘉華(ラム・ガーワー)、張歆藝(チャン・シンイー)、官恩娜(エラ・クン)、裴唯瑩(ペイ・ペイ)、浦浦(ポー・ポー)、姚文雪(ヤオ・ウェンシュエ)、姜大衛(デビット・キョン)、瑪莉亞(マリア・コルデロ)、林子祥(ジョージ・ラム)、張達明(チョン・ダッミン)、潘迪華(レベッカ・パン)、何華超(トニー・ホー)、尹子維(テレンス・イン) 
劉偉強(アンドリュー・ラウ):監督


マカオのカジノを経営する大金持ち程仲森(劉徳華)とマカオの小さな劇場のダンサー米蘭(舒淇)、程仲森の秘書・阿Jo(何韻詩)と内装工事人・林九(張涵予)、程仲森の運転手・成哥(林嘉華)と見合いの相手・湘如(張[音欠]藝)の3組のラブストーリー。


米蘭(舒淇)はマカオの小さな劇場のダンサー。マネージャーに頼まれてカジノのディーラーを手伝った時に、カジノの経営者程仲森(劉徳華)をすっかりお金をすったただのギャンブル好きの男だと勘違いし、ぞんざいな口をきいた。しかし程仲森はそんな彼女が気になって、劇場に彼女を尋ねた。程仲森の秘書・阿Jo(何韻詩)は仕事は出来るが、こと男性に対しては自分の気持ちを表現できず、男性からは同性の友人とみなされていた。しかし彼女の部屋の前の廊下を修理中の林九(張涵予)だけは、彼女を女性として扱ってくれた。程仲森の運転手・成哥(林嘉華)は女性選びが慎重すぎていまだに結婚できない。心配した程仲森は湘如(張歆藝)を紹介し、2人は見合いをしたのだが、実は湘如は結婚歴があり子供がいた。


単なるおとぎ話的シンデレラストーリーに収まりそうなところだが、いろいろ工夫があって思いのほかよく出来ていた。
程仲森は自分がカジノのオーナーで金持ちであることを米蘭に告げるのをためらい、程仲森の身分を知った米蘭は一度は彼の愛を拒んで、次に受け入れるが、回りがそれをすんなりとは許さない。このメインのストーリーを立体的にするのが、阿Joと林九、成哥と湘如のカップルで、こちらもすんなりとはいかない。阿Joは素朴で一途な林九に惹かれるものの、相手は失業中の内装工事人だし、林九はといえば阿Joとは身分が違うと妙に謙虚。お互い気持ちを素直に言えない。成哥は初めは湘如に娘がいると知って程仲森を怒るのだが、娘も彼を大いに気に入り一見うまくいくかと見えるが、成哥の不用意なことばに湘如は傷ついてしまう。そんな3組が最後には自分の気持ちを見つめ直し、愛を確信し、勇気を振るう。


そしてこれらの役にそれぞれの俳優がぴったりはまっている。劉徳華のラブストーリーは(たぶん)久しぶりで、シリアスな役を積み重ねてきて、演技に幅が出たのか、ラブストーリーにおいても以前より自然。舒淇がダンサーに扮したといえば、《北京樂與路(北京ロック)》という映画もあったが、《游龍戲鳳》の舒淇は、快活で自分の気持ちに素直に生きるチャーミングな女性。何韻詩も彼女が本来持っているユニセックスな雰囲気のままの役で、これまで見て来たどの役より彼女にぴったりしている。張涵予の愚直な内装工事人も違和感がないし、少々強面の林嘉華には最後に泣きの台詞を言わせる。そしてもう1組、姜大衛と瑪莉亞夫婦がいい。もっとも気に入らない部分も少しはあるのだが、全体的にはかなりよかった部類。


ロケはマカオ。すぐに分かる場所も多い。ホテルはMGMグランドを使用したようだ。ロケ地の写真はココに。
2009.1.24@旺角百老匯


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