愛得起

《愛得起》
梁詠琪(ジジ・リョン)、陳柏霖(チェン・ポーリン)、邵兵(シャオ・ピン)、譚俊彦(ショーン・タム)、許紹雄(ホイ・シュウホン) 
馬豪偉(ジョー・マー)・火火:監督


航空会社地上勤務の日東(陳柏霖)はある日、チェックインカウンターにやってきた女性(梁詠琪)に一目惚れした。1年後、彼女は大陸に居る兄・暁東(邵兵)の嫁となっていた。兄嫁は香港で結婚披露宴をするため香港へ戻り、一時的に日東の家に逗留することになった。
マジメで堅物の日東は、帰って来たと思ったら露出の多い服装で毎晩遊びに出かける兄嫁が気が気でならない。そんな時、結婚したばかりの兄は秘書のミッシェルから長年の思いを告げられる。これまで気づかなかった自分の思いに気がつき、2人は深い関係に。悩む兄は香港で披露宴をする前に離婚しようと香港へ・・・。


梁詠[王其]主演の映画は最も近いところで《女人本色》(id:hkcl:20070708)だろうか。たぶんこの映画から彼女に当てられる役が変わってきたのだと思う。プライベートではその前年に長年の彼氏・鄭伊健(イーキン・チェン)と別れた(id:hkcl:20060107)こともあり、イメージ的にももうお嬢様役は出来ないし、年齢的にもそろそろお嬢様役を卒業しなければならなくなっていた。《女人本色》では夫もあり、子供もいる女性を演じており、たぶん彼女的にはかなりの挑戦だったと思うが、キャリアウーマンを無難にこなして、こんな役も出来ると自信がついたかもしれない。この作品はそんな彼女が、星皓(フィルモコ)娯楽と契約して新しい映画会社と契約しての第1作目だ。ここで新しい梁詠琪のイメージを作り上げたいと思っているのだろう。


梁詠琪のイメージは、どちらかというと堅い感じ。それが若い時は初々しさとなって彼女の役に現れてくる。大人になるとその堅い感じはクールなイメージにもなるし、冷淡なイメージになる。《女人本色》では、女1人香港10年の歴史にもまれながら孤軍奮闘する姿に比較的上手くマッチしていた。今回は、自由で都会的で、大人のようでもあり危なっかしくもある女性の役だ。これまでなら、こういうイメージはたぶん鄭秀文(サミー・チェン)の役だったと思う。それを梁詠琪に演じさせようとし、梁詠琪もこれまでにないぐらい一生懸命演じている。綺麗な足もずっと見せている。しかしその一生懸命さが見えてしまう。彼女自身の性格もたぶんこの役とは違うのだろう。梁詠琪って真面目な人なのだろうと思う。
それに、この映画は一応ラブコメ仕様なのだが、ちっともコメディになっていかない。陳柏霖の弟役というのはなかなかいいキャストだとは思うが、相変わらず堅い梁詠琪には、無理に柔らかい役など与えず、もっとクールで相応しい役があるのではないかと思う。2009.2.19@UA朗豪坊


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