立春

《立春》蒋雯麗(チァン・ウェンリー)、李光潔、呉國華、張瑶、焦剛、董璇 
顧長衛(クー・チャンウエイ):監督


容姿にはめぐまれていないが、すばらしい声を持ちオペラ歌手になることを夢見ている音楽教師の王彩玲(蒋雯麗)の10年間を描く。
彼女の10年間に登場するのは、彼女の声に魅せられ音楽を教えて欲しいと言って来る周瑜(呉國華)、工場で働いているが北京の美術学校に入ることを夢見る黄四寶(李光潔)、王彩玲の隣に彼氏と同居する美しい教師・張(董璇)、外見と心のアンビバレンツに悩むバレエダンサー胡金泉(焦剛)、余命いくばくもないが歌手になりたいという高蓓蓓(張瑶)の5人。


物語にはさまざまな問題が含まれているように思う。中央から離れた土地でチャンスに恵まれず不遇な人々。周囲の理解を得られず孤独を抱える人たち。愛と同情、友情、親子、希望と絶望、欲望、あきらめ、そしてどうやって人は生きて行くのかという人生の根本にまで思いを走らせる。最後には、「致し方ないが生きて行かなければならない」という気持ちが立ち現れて来る。諦観とも言える思いは前作《孔雀》とも共通する思いだ。北京語と方言ありで英語字幕のみだったので、せめて中国語字幕で見たかった。
2009.3.14@The Grand Cinema


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