「易文電影」

出席:舒琪、黄淑嫻 司会:何思穎 

  • この時代に大陸から香港へ流れてきた多くの文化人と易文にはさまざまな違いがある。多くの文化人は香港は文化もないもない場所として批判するのが常だが、易文も香港は文化不毛の地とはいうもの、外国の映画が沢山見られる、さまざまな人がいて自由に満ちあふれているなど、香港に正当な評価を与えている。
  • 《温柔郷》や《一鳴驚人》(id:hkcl:20090329)からも香港に対する考え方が分かる。
  • 香港にやってきた易文は、最初新聞に文章を発表するようになり後に映画に関わって行く。
  • 易文の小説には恋愛はロマンティックなものではなく、苦しいものだという表現が多い。小説は人物描写に優れている。
  • 父親は国民党の軍人であり、香港へやってきてからも政治的な人物と関係があったようだが、映画では政治的なものはいっさい出てこない。
  • 日本を嫌っていることもなく、むしろ好きだった。日本食は美味しいと言っている。日本にもロケに行っているし、日本で遊んでいる。《最後的一夜》(id:hkcl:20051002)の宝田明の役を見ても分かる。
  • 易文は映画について正式な教育はいっさい受けていない。
  • 三角関係、不倫を描いたものに優れた作品がある。易文自身が女性関係が複雑だったため、自身の体験や心情の吐露があると思われる。
  • 《星星・月亮・太陽》は三人の女性が同じ人物を好きになるが、最後には男は不要になり女性三人がお互いの心情を理解してまう。レズビアン的要素が感じられる。などなど・・・。

とても勉強になって面白い座談会だった。2009.4.11@香港電影資料館