使える大陸の俳優は少ない

昨日、すでに大陸の審査を通過し、今年7月末公開の映画《竊聽風雲》は香港で発表会を開いた。(略)
ポスターでは古天樂(ルイス・クー)が中央で重用されており、発表会では呉彦祖ダニエル・ウー)に関心があつまっていた。爾冬陞(イー・トンシン)は、この2人は30歳代俳優の中で「必ず選ばれる」俳優だという。「香港には彼らと陳奕迅(イーソン・チャン)がいるが、大陸では選べる男優は多くない」。


呉彦祖は8月には新しい映画《槍王之王》で古天樂と共演する。2人の役は入れ替わり、古天樂は悪役を、呉彦祖は正義を演じる。2人はこれまでも共演しており、新鮮さに欠けるのではないか。古天樂は「新鮮さは俳優によるのではなく、役の違いよるものだ」と語った。
プロデューサーの爾冬陞は、この映画の俳優は長い間話しあって選んだもので、呉彦祖と古天樂は香港で数少ない30歳代の俳優だと話す。「数えるほどしかない。彼ら以外には陳奕迅(イーソン・チャン)がいるだけだ」。


なぜ大陸の俳優を選ばないのか? 爾冬陞は、「大陸の俳優は実はそれほど多くない。選べる俳優は香港よりもさらに少ない。陳坤(チェン・クン)は映画を撮り始めているが、まだ全面的ではないし、佟大為(トン・ダーウェイ)は陳奕迅に少し似ているがどちらかというと温厚な印象だ。李亞鵬(リー・ヤーポン)はしばらく映画を撮っていない。劉燁(リュウ・イエ)は、彼の作品を見ていないので、まだよく研究していない。」
大陸の俳優が香港映画で主役になれないのは訳があると爾冬陞は話す。「僕たちは大陸の俳優を拒否しているわけではない。ただ見つけられないだけだ。それに役を与えるのに苦労する。例えば《神槍手》のように、黄暁明が広東語を話すのはとても奇妙だからだ。女優の方が役を与えやすい」。(続く)

「香港映画が無くなる」にしても、この「使える大陸の俳優は少ない」にしても、爾冬陞の考察はいつもなかなか面白い。