獅子山下:托嬰

《獅子山下:托嬰》莊文清、黄允財、良鳴、葛劍青、林友榮 
方育平:監督 1976年 カラー 粤語 無字幕


先週から始まった方育平(アレン・フォン)の回顧上映。《獅子山下》はTVBのドラマシリーズ(香港電台製作)。「托嬰」とは赤ん坊を預ける「託児」の意味。
若い夫婦に子供が生まれたが、妻は難産で帝王切開していて、すぐには病院を出られない。夫は赤ん坊をどこかに預かってもらおうと考える。最初に赤十字を尋ねる。料金は安いが、2、3か月待ちだと言われ、さらに親戚がいるなら親戚に預けるのが一番いいと言われる。親戚の叔母を尋ねると、叔母は4人の子の面倒を見ているが昼間は麻雀に明け暮れていて、赤ん坊に眼が届いていないのが一目瞭然。夫はここへは預けられないと女性が経営する私設の託児所を尋ねる。値段は高いが環境も比較的いいと感じて、ここへ子供を預けることにする。
政府は託児所に関する新しい法律を施行すると発表する。この女性の経営するような小規模の託児所では大勢の赤ん坊を預かれなくなる。ある日、赤ん坊が熱を出した。すると保護者が、息せき切ってやってきて彼女を非難した。さらに女性の彼氏は託児所に理解がない。女性は託児所を飛び出した。
夫は私設託児所の料金を知人から借りようとするが、あっさり断られ、しかたなく赤ん坊を引き取り、環境劣悪な叔母の家を尋ねるのだった。


託児所を巡る物語。預ける側の事象、預かる側の事情。そして新しい法律の矛盾を描き出し、新たな福祉政策を提案していく。
2009.7.25@香港電影資料館「蛍影相随・戲・夢・人生―方育平回顧展」


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