獅子山下:解毒

《獅子山下:解毒》何楚雲、蘇杏璇、良鳴、葛劍青、潘志文 
方育平:監督 1976年 粤語 カラー 無字幕


薬物中毒の男が主人公。一家は団地住まい。男(父/夫)は家を出ており、山中で暮らしている。ある日、女性の後を付けて団地へやってくるが、後を付けていることがばれて叩きのめされる。男は後を付けたわけではない、自分の家へ帰るところだという。そこへ男の娘が駆けつける。男がヤクが切れて倒れ込んでいる間に、娘は家族に知らせるが男は姿を消している。娘は父の行くへを追っていき、父に「家に帰ろう。帰るまで後を付けていく」という。
妻の母は、ろくでなしの男とは別れるように言うが、妻は子供たちは父をしたっている、別れないという。そこへ娘に説得された夫が戻って来る。妻は夫に政府の施設「美沙酮中心」(美沙酮はメタドンのこと。麻薬の代用品で、1日1回これを飲むことによって麻薬中毒を改善し、最後には中毒を治療する。映画《門徒》では張静初がメタドンを貰いに行き、夫である古天樂に出会ってしまう場面がある。)へ行き治療しようと話し、夫も同意する。
夫は1日1回「美沙酮中心」へ行き、メタドンを飲み、小巴の運転手として働き出した。ところが悪い仲間に誘われ、再びヤクに手を出してしまう。1回だけならとバレないだろうと思っていたが、「美沙酮中心」で不意打ちの検査をされ、薬物摂取は妻に通報されてしまう。さらに再び仲間に薬物摂取を誘われる。今度はきっぱりと断ると、仲間は男が薬物を所持していると警察に通報する。警官の職務質問を受け、警察に連行される。すると悪い仲間は男の家に電話をして男が薬物所持で警察に連行されたと告げる。それを信じた妻は子供を連れマカオに行ってしまう。男は以降、反省して日々を過ごし、ついに薬物中毒を克服したと妻に手紙を書く。


このドラマ、啓発の意味も込められているのだろうと思う。それにしても、夫役の役者の痩せ具合や情けなさがあまりに適役(↑上の写真の人ね)。最初に映る団地は石硤尾邨っぽい。裏に山もあるし。
2009.7.25@香港電影資料館「蛍影相随・戲・夢・人生―方育平回顧展」


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