漁歌

《漁歌》林黛、嚴俊、王莱、陳又新 
卜萬蒼:監督 1956年 新華 モノクロ 國語 無字幕


(国語無字幕のため、細かい台詞は理解できていない。)ある日、父と阿鶯(林黛)が漁に出ていると、海で溺れた人(嚴俊)を見つけ、助けて家に連れて帰る。彼・子健は画家で、お礼にと龍神を書いて親子に送る。さらに阿鶯の絵を描いているうちに二人は思いを寄せるようになる。二人の様子が村の噂になり、父は怒って子健を追い出す。子健は必ず戻ると阿鶯に言い残して、父母の待つ家に帰っていった。子健の家では、お金持ちの娘・家珍(王莱)と子健の見合い話が進んでおり、子健の気持ちを無視して婚約の手筈が整っていた。腹を立てた子健は、家を飛び出し絵描きとして自立しようと試みるが生活は苦しい。そんな中でも毎日のように阿鶯に手紙を書き送っていた。ある日、街で子健を見かけた家珍は後を付け、子健の住まいを知る。家珍は大家から子健の近況を聞き、ためていた家賃を払ってやり、さらに子健が阿鶯に出す手紙を盗み出してくれるように頼む。手紙を手に入れた家珍は、「もう待たないでくれ」と偽の手紙を阿鶯へ出すのだった・・・。


林黛は《金鳳》(id:hkcl:20090920)と同じように村娘に扮している。物語りは都会の男性と田舎の娘の恋に横やりを入れるお金持ちのお嬢様の嫉妬と陰謀。純朴な村の娘は裏切られたと思い、自分を見失って悲劇が起こる。それにしても信じた男に裏切られたと思って、気がふれた女性の姿は、顔も薄汚れて服もぼろぼろで、髪もぼさぼさなのに髪に花を飾っているのがデフォルトなのだろうか。なんかどこかで見たことあるスタイルだが、これは何の映画の影響なのだろう。
解説によると歌唱片(劇中に歌が多く挿入される映画)《桃花江》(id:hkcl:20071113)のヒットに乗って作られた映画で、監督自身の《漁家女》(1943)のリメイク、この時の主役は周[王施]。
どこで撮影したのだろうか? 帆掛け舟が浮かぶ半世紀前の香港の風景が美しい。一瞬街中が俯瞰で映るのだが、香港のどこかは分からない。
2009.9.27@香港電影資料館「林黛」


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