野玫瑰之戀

《野玫瑰之戀》焦媛、高皓正、陳健豪、陳嘉儀、黄翠儀、郭静雯、張國穎 
鍾燕詩:脚本 王嘉翊:演出 
焦媛:アートディレクター 


クラブ歌手・鄧思嘉(焦媛)は、気が強く男を手玉に取ってしまうことから「野玫瑰」(ワイルドローズ)とあだ名されている。ある日、クラブのピアノ弾き・王が遅刻してきた。社長は怒って王をクビにし、クラブマネージャー劉(陳健豪)の元同級生の梁漢華(高皓正)を新しいピアノ弾きに雇った。元学校教師で真面目、婚約者のいる漢華は、奔放な思嘉にタジタジ。思嘉はバンドの仲間と10日のうちに堅物の漢華を振り向かせられるか賭けることにした。
思嘉はクラブをクビになった王の妻の病気のためと、お金持ちの客と出かけて貰った報酬をそっくり王に渡してやった。はすっぱな女だと思っていた思嘉が実は人情に厚い女性だとしった漢華は、いけないと知りながら思嘉を愛するようになる。ところがある日、思嘉の元夫が現れて思嘉を連れて行こうとした。それを見た漢華は、思嘉を取り戻そうと元夫と殴り合い、さらに椅子を振り上げ相手に傷を負わせてしまった。漢華は刑務所に入れられることに・・・。
タイトルからも分かるようにこの舞台劇は、王天林(ウォン・ティンラム)監督、葛蘭主演の同名の映画の舞台化。今回三度目の公演。


《金鎖記》に続いて2回目の焦媛(ペリー・チウ)の舞台。今回はミュージカルで歌もたっぷり。焦媛の資質をうまく生かすようによく物語りを選んでおり、今回の気の強い思嘉は焦媛に相応しい役で、さらに焦媛は歌も踊りも達者だった。歌は服部良一の曲やビゼーカルメン、易文作詞の曲などなど。焦媛以外の出演者は、高皓正を除き(彼は中文大哲学科)、みな演藝學院の卒業生(焦媛も演藝学院の卒業生)。
高皓正は、お尻が重そうな感じでダンスも歌も上手ではないけれど、ハンサムはハンサム。作詞もするらしい。陳健豪は踊れそうなので、もっとダンスの部分があってもいいのにと思う。焦媛は魅力いっぱいだったけれど、もう少し男たちにも見せ場があっていいように感じた。
先だってテレビで彼女のインタビューを見たが、演藝學院の卒業生に機会を与えたいので起用していると話していた。また2005年に焦媛実験劇団を作ってから、劇団は一度も損をしたことがないそうで、これはかなり大変なことだと思う。今日もほぼ満席だった。ロビーでは脚本家で俳優で焦媛の彼氏でもある高志森(クリフトン・コー)、周慧敏(ヴィヴィアン・チョウ)と倪震(よく顔が見えなかったけれど多分そうだと思う)のカップルを見かけた。2009.9.30@香港演藝学院歌劇院


ちなみに《金鎖記》は大陸(深圳)でも上演されるようだ。