跳出去

《跳出去》張雨綺(キティ・チョン)、袁祥仁(ユン・チョンヤン)、姚文雪、立威廉、呉彦祖ダニエル・ウー)、彭敬慈(サミュエル・パン)、李尚正 
周星馳チャウ・シンチー):原案 
馮徳倫スティーヴン・フォン):監督


中国のある農村、父(袁祥仁)と暮らす彩鳳(張雨綺)は、歌や踊りが大好きな田舎の娘。ある日、そんな田舎に街の工場から工員募集の話がやってくる。工場に行けることになった彩鳳だが、友人の小雪(姚文雪)に工場行きは譲って、みなと一緒にとにかく上海へ出て来る。大事なお金は小雪に預けた彩鳳、早速怪しい男に声をかけられ、ダンスコンテスト出場の代理をしてやると言われる。お金を取りに小雪が務める工場の寮に忍び込んだところを見つかり、結局小雪らと同じ工場に務めることに。彩鳳はダンスを習おうとダンス学校を尋ねると、学校ではちょうど清掃係を募集していたので、ちゃっかり清掃係で務め、掃除の合間にダンスの練習を盗み見て覚えていった。
ダンス学校の経営者(立威廉)は、若くてお金持ち、女性にも不自由はしてない。彼は自身の企業イメージ向上のため、儲からないダンス学校を経営している。学校ではダンスコンテスト出場に向けてレッスンが行われていたが、清掃係の彩鳳が練習を盗み見ているのが気に入らないメンバーの1人は、ダンスをしてみなさいと挑むと、彩鳳は見事に踊ってみせた。それを経営者が見ていた・・・。


(資金も違うだろうから)比べるのは申し訳ないが、同じダンスを扱った陳小春が出た映画とは比べものにならないぐらい出来はいい(小春映画が情けないということなのだが)。馮徳倫映画は前2作もそうだが、さまざまなカメラアングルで飽きさせない。ダンスシーンでは張雨綺が自らかなり練習しただろうと思われるのと、カメラアングルやカット割りで臨場感を出すのに成功。特にダンスコンテストのシーンでは会場を小さくすることで、よく陥りがちな白々しい応援シーンになるのを免れているのも感心。
全体には出演者も物語りも周星馳色がかなり濃い。出演者は周星馳映画よりソフィスティケイトされてはいるが、相変わらず不細工な人々が登場するし、主人公の靴は穴が空いている。物語りは、一途に自分のユメを追いかける者は、挫折を味わいながらも必ず大成する。《少林足球》では功夫とサッカーが、今回は功夫とダンスが融合することで強くなれる。さらに今回は恋も実る。そして大いに笑ったのは呉彦祖の登場シーン(見てのお楽しみ)と村娘3人の山歌シーンだった。なお香港公開版は広東語。張雨綺の吹き替えの声が聞いたことのある声だが、思い出せず。
2009.12.5@旺角百老匯


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