傾城之戀(傾城の恋)

《傾城之戀》周潤發(チョウ・ユンファ)、繆騫人(コラ・ミャオ)、姜中平、焦姣 
許鞍華(アン・ホイ):監督 粵語 カラー 邵氏 1984


物語は省略。スクリーンで見るのは本当に久しぶり。やはり周潤發の台詞はかなりすかしていて笑ってしまうほどくさいのがよく分かる。
以前座談会でこの映画は成功しているとは言えないと言われていた。その主な理由は言語と、原作との主人公たちの雰囲気の違い。原作はかつて日本語訳が出た時に一度読んだだけなので、忘れてしまった。本来なら中文で読み直すべきなのだろう。しかし私の中文理解能力では文章の意味は分かるが、その作品の持つ雰囲気まで読み取れる自信はない(勉強が必要だ)。言語は、白流蘇は上海人の設定なので普通話上海語で話すのが妥当なのだろう。


許鞍華はこの作品について、「繆騫人はドラマティックな演技が上手くない。周潤發もだ。2人ともよい俳優ではあるが、ともに映画の俳優であって舞台の俳優ではない。《傾城之戀》の魅力は主役2人の台詞のやりとりにある。2人の動きが物語のすべての左右する。俳優はすぐれた演劇的な役を演じなければならない。しかし2人はとても地味な俳優で演技が生活に密着しているので、こういう役はうまくないのだ」(「許鞍華説許鞍華」)と言っている。そのあたりも原作の雰囲気を伝えていないと言われてしまう所以かもしれない。2010.1.16@香港電影資料館(借銀燈・張愛玲與電影)


■□10年に見た映画一覧□■


今日から張愛玲の特集上映が始まっただが、こういう時に限っていろいろ用事があるものだ。チケットが無駄になる悪い予感が(涙)。