大富之家

《大富之家》呉楚帆、張瑛、林鳳、黄曼梨、杜平、石修、高魯泉 
莫康時:監督 粵語 無字幕 
カラー 1963年 新潮


董詠芬(上官筠慧)は妻のいる盧友誠(張瑛)の双子の女兒を産んだ。友誠の兄(実の兄弟ではなく、有章の父親が親のない友誠を引き取って実のこのように育てた)・盧有章(呉楚帆)と妻(黄曼梨)は、芬に幾ばくかの金銭を渡してこれでしばらくすごすように言う。しかし芬は、1人を孤児院に1人を隣家の老三に預け、自分はクアラルンプールに旅立った。誠は妻とシンガポールへ旅立った。
それから20年後のある日。友誠は妻と別れ、情けない姿で1人香港へ戻ってきた。有章は友誠をやとってやることにした。盧有章は多忙を極め自分が出資している学校の式典に息子の盧曉風(杜平)を代わりに出席された。曉風はそこで若い女性教師・董美(林鳳)と知り合い、つきあうようになる。ところがそれを見た友誠は新聞に載っているクラブの女性だと思い込み、有章に伝える。有章はクラブを訪ね、曉風と董美の交際をやめさせようとする。クラブの女性・董媚(林鳳二役)は、何が何だか分からないが、老三(高魯泉)に言われるままに有章を誘惑、有章は本気になってしまうのだった・・・。


父と息子が同じ女性を好きになってしまったと思いこむことで起こる騒動をコメディタッチで描く。林鳳が奥ゆかしい教師と、コケティッシュなクラブの女性の二役で魅力的。呉楚帆も厳粛な父の顔と、若い女性にうつつをぬかしてうきうきしたり、照れたりといろいろな顔を見せる。有章の次男役はなんと石修で、すごいハンサムな子供だった(今もかっこいいけど)。物語の最後には有章の妻が「妾をとる事に反対する会」なるものの会長に就任するパーティーですべてが明らかになって、丸く収まる。
映画は呉楚帆が創った新潮影業公司の第1作で、香港仔航海學校と澳門婦聯子弟學校建設資金のチャリティーのために上映された。
2010.2.20@香港電影資料館(群星義演 樂善迎春)


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