痴情涙

《痴情涙》葉楓、凌雲、馮寶寶、劉亮華 
秦劍:監督 龍剛:助監督 1965年 カラー 國語 邵氏


若い音楽教師の張志萍(凌雲)は、子供(馮寶寶)にピアノを教えている。子供は叔母と住んでおり、週に2回ほど母がやってきてくれると話す。ある日、子供がピアノ練習中に母がやってきた。志萍は娘を思う彼女をみて好感を覚える。ところが志萍が友人に頼まれ、ある女性の誕生パーティーでのピアノを弾くことになった。そこに現れたのは、なんと娘の母・白麗蘭(葉楓)だった。驚愕する志萍だが、夫を亡くし、体をこわしてまで、娘のために社交界の花として生きていくしかない彼女に同情、さらにそれが愛情にかわっていく。しかし2人の関係が彼女の後ろ盾の杜老人に知れ、保養先だった豪邸から追い出され、志萍と結婚しようとするのだが、志萍の母は快く思わないばかりか、ピアノ教師の志萍にはなついても、父親になろうとする志萍は娘からも拒絶されてしまうのだった・・・・。


語られるのは、純粋な男と社交界の花(つまりはお金持ちに囲われ夜な夜な豪邸で繰り広げられるパーティーでホステスをつとめる女性)の悲恋だが、劇中何度も出てくる「一般の人の目には交際花(社交界の花)は交際花、良妻賢母は良妻賢母」という台詞で分かるように、人々の無理解、誤解によって押しつぶされていく恋人たちの物語。子役・馮寶寶の達者ぶりも見られる。
2010.4.2@香港電影資料館(作者本色:龍剛電影)


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