一剪梅

《一剪梅》阮玲玉、林楚楚、高占非、金燄、王次龍、陳燕燕 
卜萬蒼:監督 1931年 モノクロ 
無声 中・英文挿入字幕 聯華


軍学校の学生、胡倫廷(金燄)と白樂徳(王次龍)は友人。学校卒業後、倫廷は広東省へ、樂徳は上海に止まり倫廷の妹の珠麗(阮玲玉)と婚約するが、やはり広東へ行くことになる。樂徳の叔父の娘・洛華(林楚楚)と倫廷は互いに好意もっている。ところが広東の警察の隊長が、洛華に横恋慕、樂徳を陥れ追放する。樂徳は流れて流れて盗賊の頭となっていた・・・。


シェークスピアの「ベローナの二紳士」を舞台を中国に移した作品(解説より)だが、見ていると、馬に乗った男女、盗賊など、どこか西洋映画を思わせるかと思いきや、梅の花に寄せる思いなど中国風であったりと、西洋と東洋の合体が気になる映画。梅の花が重要なモチーフのため、セットの室内などにも梅の花のモチーフが登場する、当時としてはかなりモダンなデザインで、面白い。
阮玲玉(ロアン・リンユイ)は表情豊かな女優で、特に手を口元にもってきて驚く表情や、突然遠くを見つめて不安を表現したり、目を細めて笑ったりといくつか特徴的な表情がある。無声映画では表情を見て即座に感情が分かる必要からか、これらいくつかの表情は、それぞれの感情のアイコンになっている。くるくると変わる表情を見てるだけで物語の筋が分かる。
今日から始まった香港電影資料館での阮玲玉特集、現場でキーボードの生演奏が入っているにもかかわらず、1本目はどうもリズムにのれず、途中睡魔に襲われる(トホホ)。
2010.6.5@香港電影資料館(神女生涯原是夢 ・ 阮玲玉電影展)


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