新女性

《新女性》阮玲玉、鄭君里、王乃東 
蔡楚生:監督 1934年 モノクロ 無声 
中・英文挿入字幕 聯華


教師で作家の韋明(阮玲玉)にはかつて親に反対されながらも一緒になった男との間に娘がいた。ほどなくして男は、韋明を捨てて出奔したため、韋明は娘を姉夫婦に預けていたが、娘を引き取ることにしていた。
魅力的な韋明は、学校経営者の男からいいよられるが、これをはねつけたため、学校を追われることになってしまった。同じころ、小説を寄稿した新聞社の男も韋明を高くかっていた。ところが、学校を追われた韋明は途端に金にこまる。さらに娘が病気になるが、病院には入れてやれない。部屋代も払えなくなっていく。その間に娘の様態はどんどん悪くなっていくのだった・・・。


自らの信念で、男の庇護を受けずに生きて行こうとする女性につぎつぎとおそいかかる不幸。権力をかざして女性をものにしようとし、失敗するとこそくな手段に出る男。そんな男によって才能の芽も生命も摘み取られてしまう女性。ここでも阮玲玉は憑依女優の本領発揮、タイトルどおりの「新しい女性」を演じている。新しい女性が、社会(男性)の圧力に耐えきれず死を選ぶように、阮玲玉自身もまた社会の圧力に屈した女性だったのだろうか、この映画の上映数か月後に自殺をとげてしまうのだった。
2010.6.6@香港電影資料館(神女生涯原是夢 ・ 阮玲玉電影展)


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