張藝謀（チャン・イーモウ）と陳凱歌（チェン・カイコー）は大陸映画という戦場で30年近く戦っている。今年のクリスマスも再び鉢合わせ、さらに同時期に馮小剛（フォン・シャオガン）、姜文（ジアン・ウェン）、王家衛（ウォン・カーワイ）も加わり、5大監督がぶつかり血で血を洗う争い。しかし観客にとっては見る作品がないと心配する必要のない史上最強のクリスマスになりそうだ。
大陸の監督・姜文出演・監督、周潤發（チョウ・ユンファ）、葛優（グウ・ヨウ）の3人がタッグを組んだ《譲子弾飛》は本来旧正月に大陸・香港同時上映だったが、先日、大陸では12月15日のクリスマス時期に上映と発表され、張藝謀監督の《山楂樹之戀》、陳凱歌の《趙氏孤兒》、馮小剛の《非誠勿擾2》、王家衛監督の《一代宗師》と戦うことになった。《譲子弾飛》の制作者・馬柯は、《譲子弾飛》は3大有名人がそろっている。強敵を前にしても恐れることはないと強気に語った。
陳凱歌監督、葛優、黄暁明（ホアン・シャオミン）主演の《趙氏孤兒》は一足先に12月18日から公開と宣言しており、同時期公開の張藝謀監督、新人の静秋主演《山楂樹之戀》と一戦を交える覚悟だ。陳凱歌と張藝謀は、ともに中国第五世代の監督で、何年もにわたり常に興行成績を比べられているが、一貫して張藝謀が上位を占めている。しかし今回の張藝謀《山楂樹之戀》は再び文芸路線に転じているため、観客の心をとらえることが出来るのか分からない。
馮小剛監督、葛優、舒淇（スーチー）と《潜伏》の主演女優・姚晨（ヤオ・チェン）が出演する《非誠勿擾2》は、12月19日から中国・香港同時上映。1作目は大陸で3億元を稼ぎ、大陸の観客の続編に対する期待は大きい。ただし葛優は出演映画3本が同時期に公開されるため、観客が見飽きてしまうという恐れもある。
また王家衛監督、梁朝偉（トニー・レオン）、章子怡（チャン・ツィイー）主演の《一代宗師》は12月中上映とスケジュールは出ているが、ゆっくりと作品を作る王家衛が果たして期日までにクランクアップできるのかが心配されている。映画は現在わずか3分の2が完成しているだけと言われており、上映時期を守れないのではと映画館関係者は心配している。
また5大監督の戦いですでにクリスマス時期は満杯のため、陳木勝（ベニー・チャン）監督、劉徳華（アンディ・ラウ）、謝霆鋒（ニコラス・ツェ）主演の《新少林寺》、王穎（ウエイン・ワン）監督、范冰冰（ファン・ピンピン）、全智賢（チョン・ジヒョン）主演の《雪花秘扇》は、討ち死にをさけて、すでに旧正月時期公開と決定している。by 2010.6.16「蘋果日報」
