「黒幇類型四面睇」電影工作坊

ヤクザ映画を探る3回目は「黒幇片全球新貌」
特にアメリカ以外の地域に焦点をあて2000年以降のヤクザ映画を探る。講師は張偉雄。
まず旧い時代のヤクザ映画(実際はヤクザ映画未満だが)のひな形としてフランス映画《霧の波止場》(1938年、マルセル・カルネ:監督)。キーワードとして「流れ者」「波止場」「雑貨店」。
新しい時代のヤクザ映画としてトルコ系ドイツ人を描いた《Chiko》(2008年、Özgür Yildirim:監督):かつてはピラミッド型に安定して疑似家族を形成していたヤクザ社会が、疑似親子関係から疑似兄弟関係が主体になると関係も不安定になる。
ギャングたちのリアルな暴力の例として:《シティ・オブ・ゴッド》(2002年、フェルナンド・メイレレス:監督)。サッカーファンが暴徒と化す:《フーリガン/GREEN STREET HOOLIGANS》。
最後にイタリア、ナポリ周辺のマフィアを描く《ゴモラ》(2008年、マッテオ・ガローネ:監督)。
どれも興味深い映画だったが特に最後の《ゴモラ》に惹かれる。映画祭だけの上映で日本語のソフトはないようなので、原作の小説『死都ゴモラ』(ISBN:4309204805)でも読んでみようかな。小説家がマフィアから暗殺予告されてしまうとは、それほどリアルということか。@三聯創bookcafe