呉宇森、ベネチアで終身成就奨

映画界で41年、呉宇森ジョン・ウー)はベネチア映画祭史上において華人初の終身成就奨を受賞した。昨日、徐克(ツイ・ハーク)、マルコ・ミューラー映画祭主席、クエンティン・タランティーノ審査員団主席から呉宇森に終身成就賞が手渡された。会場は2度のスタンディングオベーションで呉の受賞を祝った。呉宇森華人初の終身成就奨受賞者となり、感動の涙を流し、さらにかねてより伝えられていた徐克とのわだかまりを笑って水に流した。


呉宇森は映画界で幾度もの山や谷を経験し、《英雄本色(男たちの挽歌)》《喋血雙雄(狼/男たちの挽歌 最終章)》、ハリウッド映画《奪面雙雄(フェイス/オフ)》や《職業特工隊2(ミッション:インポッシブル2)》など多くの傑作を撮影している。長年にわたる努力で國際的に著名な監督となり、今年64歳となった呉宇森は、香港時間昨日、ベネチア映画祭から終身成就奨を手渡され、名実ともに名監督となった。


授賞式会場では、林志玲(リン・チーリン)と梁朝偉トニー・レオン)の《赤壁(レッド・クリフ)》のベッドシーンを含む呉宇森のこれまでの作品をまとめたショートフィルムが放映され、観客は呉宇森のすばらしい映画の数々を思い出すこととなった。その後徐克は、「這麼多年、我不想證明我有多麼了不起、我只想得到我應該得到的東西」(ここ何年も、僕が何もできなかったと僕が偉いと証明したいわけじゃない。僕はただ自分が得てしかるべきものを手に入れたいだけだ)という《英雄本色》の台詞を引用し呉宇森を紹介した。
かつて徐克と呉宇森は《英雄本色》撮影後、不和が伝えられ、その後2人は一緒に仕事をしてない。昨日ベネチア国際映画祭は特別に徐克をプレゼンテーターとして招聘するという心使いをみせた。呉宇森もそれに応え、舞台上で徐克に「彼は僕が最も助けが欲しい時に励ましてくれ、僕が最も落ち込んでいる時に《英雄本色》を撮らせてくれた」と感謝の気持ちを述べた。また「妻が後ろからサポートしてくれた事に感謝します。母は僕に『信じることだけが正しいこと。やりなさい』と言ってくれ、僕はよりよい映画を撮ろうと奮起してきたのです」と夫人と母に感謝の言葉を述べた。呉宇森の言葉のあと、観客は立ち上がり大きな拍手で敬意を表した。また呉宇森がトロフィーを持って舞台を下りる際には、観衆たちと熱い握手を交わし、拍手は5分間続き呉宇森の眼には涙があふれ、こらえ切れず嗚咽する場面もあった。


ベネチアで初の華人終身成就奨受賞について、映画祭は「現代映画言語の創造者」と呉宇森を形容し、彼の画面デザインと編集における多くの革命的概念は感心すると語った。(略)by 2010.9.5「蘋果日報