《牆》
李清、紫羅蓮、盧敦、黄曼梨、王愛明 
王鏗:監督 1956年 モノクロ 粤語 無字幕


額に怪我をした男と、女性がエレベーターに乗ってくる。2人は知り合いのようでもあり、なさそうでもあり。そして2人が尋ねた先は弁護士事務所。実は2人は離婚手続きを頼みに来たのだった。
李清と紫羅蓮には娘が1人。李清は教師。生活にこまっているわけではないが、たっぷり余裕があるわけでもない。娘の学費の為にお金は貯めてはいる。そんなある日、紫羅蓮の弟から手紙に母の体調が思わしくなく、少しお金を工面して欲しいと書かれている。南洋に居る母の元にすぐに駆けつけるわけにいかない紫羅蓮は、お金を送ってやろうと夫の李清に相談するが、あまり真剣になってくれない。そしてある日、さらに母の病状が悪いという手紙がやってくる。紫羅蓮は、少しでもお金を稼ごうと思うが夫は妻が働くのに大反対。紫羅蓮は、友人のつてでクラブで歌を歌うことにした。ところが夫はクラブに乗り込んで大立ち回りを演じ、自らも額に怪我をしたのだった。2人はともに意地を張り、ついには分かれると言い出し、弁護士事務所を尋ねたのだった。弁護士は2人の言い分を聞き、しばらく別居してみてはどうかと提案する。家に戻った夫は、部屋を2つに仕切ろうと、真ん中にカーテンを引いて、これは壁(牆)だと言うのだった・・・。


夫は面子にこだわり妻を働かせず、妻は独立しようと試みる。主人公たちの住まいは、1つのフロアをいくつかの部屋に区切り、厨房を共有する板間房と呼ばれるつくり。主人公夫婦の隣は、同じ学校の先輩教師の住まい。この先輩夫婦が若い2人になにかと道理や夫婦のあり方を説いてゆく。
2011.3.26@香港電影資料館「人人為我,我為人人:中聯電影」


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