《愛》
白燕、張活游、紅線女、梅綺、黄曼梨、李小龍 
王鏗・吳回・李鐵・李晨風・秦劍・珠璣:監督 1955年 モノクロ


グランドホテル形式で、ある客船に乗り合わせた乗客たちのそれぞれの愛や運命、苦労をかたってゆく。
阿蓮(白燕)は、子供が生まれると同時に夫を亡くした。子供が重い病にかかり、治療代を雇い主の奥様から前借りしたが足りず、息子を子供好きな奥様の養子に差し出すことで子供の命を救った。しかし阿蓮は子供のことが忘れられず、少しでも子供近くにいたいと願っていた。息子が小学校にあがると、小学校の雑用係として勤め、密かに息子の面倒を見たのだが、ついには奥様に見つかってしまう。しかたなく、阿蓮は息子から遠く離れる決心をして、息子を写真館に連れて行き写真を撮り、その写真を宝としていた。
ある夜、女性(紅線女)が家へ帰ろうとすると、人を呼ぶ大きな声を聞いた。駆けつけると、そこには男性(張活游)がおり、突然目が見えなくなったのだという。その男性は向かいに住む作曲家だった。女性は、医者を呼んでやり、何くれとなく看病した。男の目が明日には見えるようになるという夜、母の具合が悪いとの電報がやってくる。急ぎ母の元へ向かう女性は、妹に作曲家を託す。妹は音楽を勉強しているが、飽きっぽくつぎつぎとボーイフレンドを取り替えていた。目が見えるようになった作曲家の元を尋ねた妹を、作曲家は看病した姉だと信じ込み、妹もそれを否定せず、2人はあっという間に恋に落ちた。2人の様子を知った姉は、打ち明けもぜす、ひっそりと母の元に身を隠した。程なくして2人は結婚したが、売れない作曲家の夫と文句ばかりを言う妹は、喧嘩が絶えない。それを知った姉は妹を諭しにやってくるが、妹は姉が夫を奪いに来たと勘違いする。傷ついた姉は、1人旅に出るのだった。
2011.4.3@香港電影資料館「人人為我,我為人人:中聯電影」


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