第一類型危險(ミッドナイト・エンジェル/暴力の掟)

徐克監督。歐瑞強(アルバート・オウ)、車保羅(チェ・ポーロ)、林珍奇(ラム・ジャンケイ)、羅烈(ロー・リエ)、呂良偉(レイ・ロイ) 
徐克(ツイ・ハーク):監督 1980年 


3人の学生が爆弾を作って映画館に仕掛ける。まんまと映画館から逃げたと思ったが、実は彼らを見てつけていきた少女がいた。少女の兄は警官だが家にはほとんど帰って来ない。少女はネズミをかっているが、時にねずみに針をさすなど残酷なしうちをしている。少女は学生たちをなかば脅迫して、爆弾をつかってバスを乗っ取ろうとするが、少女だけがバスに乗るはめになってしまった。
学生たちは怒った少女に復讐をされそうになる。そこに通りかかったアメリカ人の車から偶然盗んだ包みには大量の日本の小切手が入っていた。少女はこの小切手をなんとか換金しようと考える。小切手を盗まれたアメリカ人はやっきになって小切手のありかを探すうちに、小切手を持っているのが少女たちだと突き止めるのだった・・・。


この映画は香港では一度放映禁止になり、仕方なく新たに数日かけて撮り直しをして香港上映版ができている。今回見たものは、フランスに残っていたバーションと香港のバージョンを会わせて、徐克の許可の元に作り直した特別ディレクターズカット(当初監督が作ったバージョン)。したがって状態の悪い(中文と英文の字幕の入った部分)と鮮明な部分が混載している。
前回見たのは状態の悪いVCD(かビデオ)(id:hkcl:20070223)で、この時はいまいちピントこなかったが、今回は大変面白かった。無軌道な学生の最初は遊びのつもりの爆弾を仕掛ける行為が、訳の分からない怒りと鬱憤を強烈にため込んだ少女を引き込み、さらに少女に振り回され、だんだんと思わぬ方向に転がっていく様が明確に分かる。いま見ても映画そのものの持つパワーが感じられる。
ところで日本版は香港版とイコールなのだろうか。
2011.6.4@百老匯電影中心(黒色電影・法國×香港)


今日はさらに徐克監督がこの上映のために北京からわざわざ香港に戻ってきてQ&Aもあった。


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