往事知多少

《往事知多少》
白燕、張活游、小燕飛、梅綺 
珠璣:監督 1953年 珠聯 
モノクロ 粤語 無字幕


お金持ちの息子・宋子秋(張活游)は、博打と酒で憂さをはらす日々。妻・紫群(小燕飛)のいる身にもかかわらず、ある日バーで美しい婦人・孟巧雲(白燕)をみかけ心惹かれる。巧雲もまた、お金持ちに嫁いだものの、夫に愛情を感じておらず、寂しい日々を送っていた。2人は互いに惹かれるものを感じる。巧雲はある日、子秋が会社の金を博打に使い込んでいることを知って、金を融通してやるが、子秋は、巧雲の金を持ってまた賭場へとやってくる。さらに巧雲は子秋の手紙を見てしまい子秋には妻・紫群がいること知る。巧雲は賭場へ出向き、負けが込んでいた子秋を助けてやり、さらには自ら身を引き、子秋を家に帰してやる。
父が引退し、会社経営者となった子秋は、こんどはバーの歌手・莎菲(梅綺)に入れあげる。またも会社の金を使い込んだところを、妻がなんとか繕ってくれる、心を入れ替えたと思ったが、莎菲は姑息な手段を使って、子秋を我がモノにしようとする。ところが、子秋はさらに会社に大きな損失を与えてしまう。莎菲は子秋に逃亡をすすめ、有り金を引き出させ、子秋をはめて自分だけが逃亡しようと考える。実は莎菲には協力者がおり、2人で子秋を陥れていたのだが、莎菲はその協力者をも罠にはめ自分だけが逃げようとしていたのだった・・・・。


最後の最後に放蕩息子だった張活游は、えん罪で投獄されたうえに、数年たってようやく疑いが晴れるのだが、その時には目が見えなくなっているという不幸きわまりない展開。
いつもは馬鹿正直な男を演じることが多い張活游に博打と女にうつつを抜かす、どうしようもない男を、貞節な妻や不幸が似合う女を演じることの多い白燕に、悪女ともとれる神秘的な女性をと、いつもとは印象の違う役を与えているのが興味深い。白燕は貧しい家庭の妻も似合うが、ゴージャスな女性もよく似合う希有な存在。この役も妖艶で美しい。梅綺の悪女ぶりもいい。
2011.09.24@香港電影資料館(中聯外傳)


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