全力扣殺(全力スマッシュ)

《全力扣殺》
何超儀(ジョシー・ホー)、鄭伊健(イーキン・チェン)、謝君豪(ツェ・クワンホウ)、鄭中基(ロナルド・チェン)、梁漢文(エドモンド・リョン)、劉浩龍(ウイルフレッド・ラウ)、林敏驄、邵音音(スーザン・ショウ) 黄智亨(ヘンリー・ウォン)・郭子健(デレク・クオック):監督


引退してかなりになる元バトミントンの女王・呉久秀(何超儀)に昔の面影なく、元朗で兄(謝君豪)の店を手伝っているが、すっかり丸くなった体にかつての自信はどこへやら、街ではかつての後輩に恥をかかされることに。そんな呉久秀はある日、よっぱらいの大師(林敏驄)、片方の耳が不自由な劉丹(鄭伊健)、片腕の林超(梁漢文)、弱視の馬坤(劉浩龍)の4人と知り合った。実はこの4人、かつては強盗犯で、刑期を終え出所しやり直そうと考え「劉丹羽毛球同好會」を作っていた。呉久秀は彼らに請われて練習を再開するのだった・・


《打擂台》(燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘)に続く、ダメダメな人たちが奮起して自信と誇りを取り戻す物語。今回は多分これまで香港映画では一度も取り上げられたことがなかったバトミントンを題材にしている。
《打擂台》が非常によく出来た作品だったため、比べてしまうと劣化感が否めない。それは個々のキャラクターにも表れていて、元悪人4人の性格付けは見た目の奇異さが目立ちすぎるし、鄭中基や謝君豪の圍頭話も作りすぎな感じがしてならない。大師のゲロもおふざけが過ぎているように見えてしまう。
もちろん面白く見たし、久々の鄭伊健は嬉しかったのだが、皮肉な事に、やはり練って練って溢れる功夫への愛をおもいきり詰め込んだ《打擂台》がどんなに素晴らしい作品かを再認識することになってしまった。


なお、バトミントンは香港では手軽に出来るスポーツとして比較的普及しており、公立の体育館にもコートがあって市民がコートを予約して楽しんでいる。実際、私も香港在住時に近くの体育館のコートを友人たちと予約したことがある。ラケットも簡単に香港で購入できた。
2015.03.15@シネ・ヌーヴォ(大阪アジアン映画祭)
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