抹茶之恋味

嚴浩監督と息子周迅(ジョウ・シュン)、陳坤(チェン・クン)、嚴羚 
嚴浩(イム・ホー):監督


嚴浩といえば、《以水流年》《我愛厨房(キッチン)》がぱっと浮かぶ。どちらかというと、静かな映画だ。ところが、かなりのブランクを経て撮ったこの作品は、以前とまったく違って、動的で楽しい映画だった。これはかなりの驚き。人間の内面を描き出すという点は以前と変わっていないが、その表現はまったく違う。美術に張叔平(ウイリアム・チョン)、撮影に 潘恒生(プン・ハンサン)でお洒落。
《恋愛中寶貝》につづいて周迅、陳坤コンビだが、《恋愛・・・》とは違ってユーモアがあって楽しい恋愛映画だった。周迅、陳坤コンビに絡む嚴羚は、監督の息子。本来は作曲をし歌手でもある。本作の全てのスコアを書いている。上映後のティーチインでアカペラで声をきかせてくれたが、これがいい声。7月にはCDデビューするという。こんな立派な息子がいたことにもびっくり。なお大陸題は主人公の営む茶館の名である《鴛鴦蝴蝶》。
2005.04.04@HKIFF


■□05年に見た映画の一覧□■

「Focus:Fiest Cuts亞州新星導」@フィルマート

去る3月24日フィルマートで、映藝娯楽と衛視電影台は「Focus:Fiest Cuts亞州新星導」映画製作計画を発表した。これは中国大陸、香港、マレーシア、台湾、シンガポールの新人監督に合計6本の映画をHD(Hingh Definition=ハイビジョン)で撮らせるという計画だ。
劉徳華アンディ・ラウ)の映藝娯楽が「亞州新星導」の製作とセールスを担当し、衛星電視台が日本、韓国、タイを除くアジア地区の独占放映権と上映権を持ち、HD設備のある映画館で上映する。
選ばれた監督は、香港から黄精甫(ウォン・チェンポウ)*1と李公樂*2、林子聰(ラム・ジーチョン)*3の3人、マレーシアから何宇恒*4シンガポールから唐永健*5、台湾から李芸嬋*6だ。中国からの参加監督については現在選定中。映画は7月から撮影が開始され、第1作は10月には衛視電影台で放映される。
大きな特長はフィルムではなくHD(つまりデジタルビデオ)で撮るということだ。フィルムに比べれば格安だ。最近はデジタルビデオもかなり綺麗で、スクリーンにかけても遜色ないものも多い。先だって見たモンゴルの映画はデジタルだが、ちょっと見、フィルムと区別つかなかった。

*1:《福伯》《江湖》監督。

*2:《福伯》助監督。

*3:言わずとしれた《功夫》出演。

*4:釜山映画祭・香港国際映画祭上映《霧》監督。

*5:2000年シンガポール国際電影節The Young Chinema Awrds、スウェーデンストックホルム映画祭評議員特別賞受賞《吃風》監督。

*6:台湾金馬奨最佳短片奨受賞《神奇洗衣機》監督