花好月圓

《花好月圓》
楊千嬅(ミリアム・ヨン)、任賢齊リッチー・レン)、鍾鎭濤(ケニー・ビー)、葛民輝(エリック・コット)、方力申(アレックス・フォン/フォン・リックサン) 葉錦鴻(イップ・ガムホン):監督


昔々、有る国。男ばかりが続いて生まれているので、帝は是非女の子が欲しかった。そして次に生まれた子供は待望の女の子だった。大喜びした帝。しかし姫は、供の者が卒倒するほど臭かったのだ。人前に出すわけにはいかない。姫は離れに幽閉された。
月日の流れは速い、姫(楊千嬅)も年頃。そろそろ相手をと考えた帝とお后は、選りすぐった者を姫に引き合わせるが、姫がくしゃみをした途端、候補者は、「臭さ」のあまり有る者は池に飛び込み、有る者は自決して果てた。姫は悲しみにくれた。そのころ街では、花や植物を愛で、持って生まれた敏感な鼻で快い香りを作り出す男(任賢齊)がいた。そして街の魚屋では、男たちに混じって働く元気な女の子(やはり楊千嬅)がいた。
ついに帝は姫の病を公にして、「姫の病をいやした者に姫を娶らせる」と「ふれ」を出すことにした。この「ふれ」を見た男(任賢齊)は、自分が花や植物の力を借りて「アロマテラピー」で姫の臭いを消してやろうと考える。館には、我こそは姫の病を癒せるという者があつまった。そして予選を勝ち抜いて残った2人は、アロマテラピストの男と帝のお抱え医者の弟子の医者だった。2人には3か月の時間が与えられ、姫の病を治す方法を考える事になった。
男は考えた。そして偶然知り合った魚屋の男たちと娘を実験台に、姫の病を治す香料を作りだそうとする。魚屋の娘は、実は密かに男に思いを寄せていた。男は姫の病を治す秘薬をつくり出せるのか? 魚屋の娘との恋の行方は?


昨日は「元宵節」といって、中国のバレンタインデー。公園などにランタンを飾って旧正月の終わりを祝う。昔、夜の外出がままならなかった頃、この日だけは女性もランタン見物と称して夜外出が出来たので、男女が人目を気にせず、夜出歩く事が出来たというわけだ。
というわけで、「元宵」に相応しい可愛らしい映画。なんせカテゴリー「I」。《薫衣草(ラベンダー)》に続いて、またも「匂い」がキーワード。途中、よく考えると疑問を挟みたくなるところがあるんだけど、全体はほんわかムードのコメディ。衣裳やロケも綺麗。気を使って撮影されている。任賢齊は、見てるだけで、ほんわかムード(でも実はよく見ると任賢齊の眼は凶悪だと思うのは私だけ・笑)。ギャグのテンポもよくて、笑えて、気軽に見られる映画の典型。それにしても任賢齊の広東語はかなり上達したと思う。
因みにタイトルの「花好月圓」は成語で、「花美しく、月まどか」という意味。夫婦円満で仲むつまじい形容に用いられる言葉。去年の鄭秀文、古天樂の《百年好合》なんかも同じ。


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