大城小事

黎明(レオン・ライ)、王菲フェイ・ウォン) 葉偉信(ウイルソン・イップ):監督


細かいストーリーは言わない事にします。黎明は医者だけど、王菲の職業を言ってしまうと、話を知っていく楽しみが半減すると思うので。たぶん良かったという人と、つまらないという人が別れるのではないかと思う。私は中間(笑)。


監督は葉偉信で、話の進め方、見せ方などはいい。途中、老人が出てくるのですが、この老人と黎明の場面がいいですね。葉偉信は感情を細かく表現出来る、さらに言葉で余計な説明をしない監督だと思います。そこがいいところです。
ただ、やはりアイドル映画(すいぶんとうの立ったアイドルだけど・笑)の枠を越えられなかったのではと思ってしまうのは、王菲の役が張曼玉だったらと、見ながら何回も考えてしまったからです。それと監督(というか企画者の黎明がだろうが)は、ニューヨークかどこかで起こる洒落たストーリー、まさに「大城小事(大都市の小さな出来事)」を作りたかったんだろうということです。実際は上海だが、夜景、夕景、しゃれたカフェ、ビル、王菲や黎明が住むアパートは煉瓦造りで、窓がありベランダがあり、ビルの外壁には鉄の階段。行った事はないけど、映画で何度も見慣れ、刷り込まれたニューヨークの風景を思い出す。そして王菲の職業も、ニューヨークならあるかもと思う。どこを見ても中国をまったく感じない。中国で、上海である必要はない。うがった見方をすれば、上海もすでにニューヨーク並みということか?? こういうところにひっかかると、つまらない映画ってことになるだろう。それでも葉偉信は、王菲の個性をうまくつかいながら、丁寧にストーリーを作っていると思う。だから私は中間ってことで。
バレンタインデーの映画館は予約でいっぱいらしい。カップルで見るにはいいかも。ただ、これ全編普通話です。普通話の映画で最近の香港でヒットしたものはないと思うので、これが例外を作るのか??


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