Lost in Translation(迷失東京) 

ソフィア・コッポラ:監督


アメリカから東京へ中年の俳優がウイスキーのCMを撮りにやってくる。スタッフとは上手くコミュニケーションが取れない。さらによく眠れない。カメラマンの夫についてやってきた若い妻は、夫は忙しくかまってくれない。やっぱり寝付けない。そんな2人が同じホテルで、たびたび顔を合わせるウチになんとなく共感を覚えていく。


東京が舞台ということで、見慣れた風景がいっぱい出てくる。舞台のホテルは新宿パークハイアットだし(笑)それよりなによりおかしいのは、まずCM撮りウイスキーは「サントリー 響」。CMプロデューサーやカメラマの撮影中の「言葉」がべらぼうにおかしい。こういう事言ってるだろうな〜。1人で爆笑した(ここ字幕が入らない)。さらにクラブやパチンコ屋、カラオケ、渋谷、新宿、ティッシュ配り、しゃぶしゃぶ、寿司と東京の断片がたくさん登場する。マシュー(藤井隆)が出てきたのにはびっくり。良く日本を研究してる(笑)。
これソフィア・コッポラ監督のアカデミー賞ノミネート作品。コメディってことになっているようだけど、コメディなのかな? おかしい場面は確かにあるけど、しみじみする作品だったけどな(あれ)。
デビュー作の《バージンスーサイズ》は不思議な映画だったけど、柔らかい、曖昧な感情をうまく表現出来る人だと思う。東京ってぎすぎすしてると思うのだが、映画全体がふんわかした感情で包まれている。香港では少数の映画館で公開ながら評判がいい。「東京」とタイトルに織り込んだのが良かったのではと思う。


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