来年の香港映画の方向性

映画業界人はたえず各マスコミに向け、香港映画は悲惨だと言っているが、非常に忙しくしている人々もいる。
撮影される映画が少ないのは事実だ。最も影響を受けている人々は映画を撮ることで生計を立てている人。映画の主な部分を創っている人(監督や脚本)はといえば、1年撮影が無くても常に忙しく出来る。もし毎日打ち合わせがあるなら、あちこち奔走し資料を収集しなくてはならない。
1本の映画の準備期間とポストプロダクションは、ある時は1年半にも及ぶことがある。ただし、それぞれの工程にかかわる映画制作者が、映画の初めから終わりまで全てにかかわるわけではない。撮影を担当する人は、撮影の時にだけ仕事がある。ポストプロダクション会社は、忙しかった時には、同時にいくつもの映画を手がけていた。業界が冷え込むと、仕事は無くなりはしないが、それが1本か半分になる。ニーズのある監督でさえ「店じまい」の試練がまっている。これを突破する何かが欲しい。
映画が不況になあると、以下の2つの事にそれが現れてくる。1つは興行成績。近年これは確かに悪い。中国映画や西洋映画についてもそうだ。もう1つは、業界内の人々に満足に仕事が行き渡らない。
・前途はまだ楽観的
毎年12月は仕事をする人が比較的少ない。理由は簡単だ。旧正月映画と旧正月第2弾の映画はすでにだいたい出来上がっており、ほとんどがポストプロダクションに入っているからだ。1月は最も撮り始める映画が少ない。何故なら多くのスタッフは月給制で、旧正月の休みをまたいでは割に会わないと映画会社が考えるからだ。筆者は香港映画の前途は、未だ楽観的だと思っている。何故から市場の要求があるからだ。
供給の原理でいえば、来年は少なくとも40〜50本の香港映画が撮影される。ただし、市場は不透明、夏休みなどの稼ぎ時以外に上映される映画は、比較的小バジェットで撮影されることになるだろう。
・ドラマ再び
小バジェットの映画は最も創作的なものが要求され、それが唯一市場に提供出来るものだ。従ってさらに淘汰されることになるだろう。
一部分の興行が見込めたスター映画は興行成績が下降していくだろう。映画会社は大胆に新人を抜擢し、新しい題材を受け入れる事がだけが、廃れていく古くさい路線よりも勝ち目がある。
個人の個性が見える映画が増えると思われ、喜劇は影を潜め、より実生活に近いものが出来るだろう。ドラマがまた流行ってくるかもしれない。ただし俳優でも制作でも、ドラマにはより現実感が必要になるだろう。
若年層の市場は不安定だ。ここに向けて映画を作るのは危険が大きいし、主流には成り得ない。
豪華キャストの大作は様々な年代の観客を惹きつける。周星馳チャウ・シンチー)の《功夫カンフー・ハッスル)》のように、若者も青年も惹きつける。
経済状態が改善されれば、男臭い映画(剛陽電影)が再び流行る可能性がある。しかしアクション映画は多くの資金が必要で、ヤクザ映画や警察モノは、大陸の審査に未だ限界があり、憂慮される。
OL市場はいまだ可能性を秘めている。何故なら彼女らは海賊版やBTを好まない。ただし、女性の観客は細かな事に厳しく、彼女たちの機嫌を取るのは難しい。by 2004.12.20「明報」(意訳あり)

香港、たしかにこんな感じだろうね。これなら今の香港映画も出来る範疇だと思う。香港には香港の救い方があると思う。これでホントに救えるのかわからないが、少しは可能性がありそうな気がする。作家性のある映画が出てくるのはいいことだと思うし、若い人が映画を撮れる機会が増えるのはもっといいことだ。観客がそれに着いていけるかということはあるけど・・。