杜琪峰、董建華を批判

香港映画産業は、現在最も苦しい時を迎えている。昨日、行政長官・董建華(とう・けんか)は、施政方針演説の中で、「香港影視娯楽博覧」を開催し、映画産業を支えると述べた。しかし業界では、現在もっとも重要なのは海賊版撲滅と考える人もいる。杜琪峰(ジョニー・トー)はまた、董建華の方針は見かけばかりだと指摘する。
昨日、行政長官・董建華は、施政方針演説の中で、一時は景気のよかった香港映画産業が現在様々問題に突き当たっているとし、危機に瀕している香港映画を救うために、政府は相応しい方法を検討、映画産業がさらなる発展を遂げるため、今年3月に「香港影視娯楽博覧」を催すとした。これには「香港電影金像奨頒奨禮」「香港国際電影節」「数碼娯楽論壇」など8つの催しが含まれる。また「香港国際電影節」では劉徳華アンディ・ラウ)に関する作品展も開催する予定だ。
・現実的な効果がない
香港映画関係者はこの催しを歓迎しており、董建華が香港映画に感心を示してくれたことを喜んでいる。しかしこの措置が香港映画産業界にとって必ずしも大きな効果を与えるとは思っていない。監督の杜[王其]峰は、政府が香港映画界の危機に感心を示しているのはよい事であるが、政府が打ち出しているこの方法は見かけばかりで、実際の効果はないと言う。昨日電話でのインタビューで「政府が世界レベルの博覧会をやるというのは、多くの外国人に香港映画を認識してもらうことになり、これが出発点となるということは疑いようがないことだ。しかし今最も香港映画産業に打撃を与えているのは海賊版の問題だ。特にインターネット上の海賊版。もし政府が映画産業を助けようというのなら、最もよいのは海賊版問題を解決する方法を見つけてくれることだ。博覧会や討論会の開催は、いまのこの苦しい状態から鑑みれば、見かけばかりだ」と話した。
・盗撮を刑事化
中国星(チャイナスター)電影公司の向華強(チャールズ・ヒョン)の妻・陳嵐は、「董建華は、映画産業に対して熱心だ。しかしこの措置はいま必要とされていることではない。いま最も必要なのは盗撮にたいする刑法を作ること。2年後も待たなければ立法化されないのでは困る」と話した。(略)by 2005.1.13「蘋果日報

役人の考えることは、相も変わらず的はずれということか。すでに香港国際電影節と金像奨は同時期に開催しているし、フィルマートも近い時期だったように記憶している。それはそれとして開催はいいが、まあもっと実質的な事をやってくれということですよね。海賊版、一番取り締まるのは大陸だと思うが。大陸の隅々までこれを教育するのは至難の技だろう。知的所有権などという権利はまったくもって理解できないらしいから。
香港在住の日本人でもよく理解できない人が多い。平気でドラマやアニメの海賊盤VCDを買う。日本の番組のダビングものをレンタルする。メーカーに勤めている人なら、自社の商品がコピーされ半額以下で売られたら、どういう事がおこるのか、想像がつきそうなものだが。それとこれは違うらしい(怒)。