喜馬拉亞星

鄭中基(ロナルド・チェン)、劉青雲ラウ・チンワン)、應采兒(チェリー・イン)、呉鎮宇(ン・ジャンユー)、張栢芝セシリア・チョン)、Shine(黄又南、徐天佑)、黄光亮(トミー・ウォン)、李兆基(レイ・シウケイ)、成奎安(シン・フィオン) 
韋家輝(ワイ・ガーファイ):監督


ヒマラヤで生まれ育ち、ヨガの修行を積んできた亞星(鄭中基)に、いよいよ下界へ下りる時がやってきた。母と父(鄭中基3役・爆)に、しっかり下界で悪い事も学んで人間を高め、インドの西施(美人の喩え)を妻に迎えよと申し渡される。下界に下りた亞星は、粗暴で乱暴な大家姐(應采兒)と三悪人(黄光亮、李兆基、成奎安)に出会い、悪の教えを請う。
その頃、商売に失敗しすっかり臆病になった叔父(劉青雲)とその甥(Shine)、ツアー客(呉鎮宇)が香港から団体旅行でインドにやって来ていた。叔父は睡眠強盗に金銭を取られ、甥とツアー客は怪しげな媚薬を飲んで、自分達の身分を忘れてしまった。
この後、さまざまなドタバタと少しばかりの恋愛があり、この2組が最後になってやっと絡む。鄭中基と劉青雲たちがヨガ大会に出場して、インドの西施の夫の座をめぐって戦うのだ。
個々を見ると、とんでもない。劉青雲はまんまMr.ビーン呉鎮宇は腹巻きにステテコ、トランクを下げ寅さんのいでたちなのに、顔の動きは北野武。劇中、呉鎮宇は過去を忘れ、自分は日本のヤクザだと名乗り、怪しげな日本語を操る。鄭中基は日本のAVを見て覚えたお決まりの台詞をIIAの映画で堂々とのたまう。妻を棄て、香港へ行ってチョンキンマンションのカレー屋で働いていたインド人が妻に許しを請う。妻が庭の木に黄色いハンカチをぶら下げていたら、自分を許してくれる証拠だという、まんま《幸せの黄色いハンカチ》。韋家輝も好きなのね日本映画。などなどめちゃくちゃ(笑)。
笑うけど、どうなんだろう。特に最後の終わりかた。香港人の頭に?が点灯してたような気がする。
2005.2.5@旺角百老匯


今後、香港映画界にちっちゃくインド旋風(印流かい・爆)が起こるのではと思っている。この《喜馬拉亞星》では、インドロケをしているが、成龍ジャッキー・チェン)は新作《驚天傳奇》でインドの女優を起用しているし、陳可辛(ピーター・チャン)が今撮っている金城武、周迅(ジョウ・シュン)のミュージカル(ホントか?)《如果愛(Perhaps Love)》では、インド人振り付け師を招いているとか(詳しくは id:hkcl:20041201#p1)。
香港にはインド人も多く住んでいるのに、インド映画が上映されないのは不思議だが、上映時間が香港映画の倍近いのが(香港映画は95分から120分の間だが、インド映画180分はある)、難点なのだろう。たまにはインド映画もスクリーンで見たい。


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