其後(それから)

松田優作藤谷美和子小林薫笠智衆中村嘉葎雄草笛光子風間杜夫イッセー尾形羽賀研二 森田芳光:監督 1985年 東映


東映作品を順次リリースしている州立(インターコンティネンタル)からのお呼ばれで、DVD上映を見た。上映後、紀陶と史文鴻のティーチイン付き(1回かぎりの特別上映)。
いま見みると、思いの外いいのにびっくり。小津まがいなカメラアングルが多用されているし、時々挿入される心象風景のような不可思議なシーンもあるが、それもそれほど気にならなかった、というよりむしろそれが面白かった。たぶん当時は、何か違和感があったかもしれないが、いま見ると松田優作もいい。松田優作といえば、アクの強い演技という印象があるが、この松田優作は独特の台詞回しなど見せず、大助という役をよく演じている。小林薫も、藤谷美和子もはまり役とはいわないが、それなりの雰囲気は十分に感じられた。
ティーチ・インでは、紀陶さんらが、明治末期という時代やら、小津の影響、夏目漱石とはどういう作家なのかを解き、森田芳光、各俳優につても丁寧な紹介をした。ユリの花、都電、水を飲むなどの象徴的なものを見逃さず、細部を見ると面白いなど、映画の見方も伝授。香港映画との関係でいえば、梅林茂が音楽を担当しているため、《花様年華》《2046》に類似性が認められるという指摘もあった。DVDをプロジェクターでかけたため、画面が荒く、色も悪かったので、機会があるならスクリーンで見たいものだ。
2005.3.13「新港戲院」特別場


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