香港73

《香港73》岳華、井莉、凌雲、何守信ほか多数 
楚原:監督 1974年 邵氏 DVD


《七十ニ家房客》に続くとパッケージにあるように、一軒のアパートに住む様々な人々が主人公。
時は1973年。市民の誰もが株価に一喜一憂。あちこちの道路はいつも工事中で一生終わりそうにないかもな状態。病院も警察も大行列で不親切。主人公の1人が勤めるのは電器店「泰林」。住人の1人は新製品であろう洗濯機を買うが、洗濯機に付いている1年の保障が結局有効に使えるのかどうか分らないといった場面。ドライブに行けば、車はパンク、全員で車を押してやっとの思いでガソリンスタンドに辿り着いても、タイヤは取り替えてくれない。こそ泥を警察に突き出すのも一苦労。被害届けにいけば、警官は不親切きわまりない。くどくどと同じことを何度も聞く。こんな場面は陳小春(チャン・シウチョン)出演《墨斗先生》にもあったなー。マカオで一儲けと出かける。4万の儲けで辞めておけばいいものを、ついついですっからかんになってみたり。夜中に街中の電気が消えたり(政府が節電だといって、電気を消すとか)、会考は、当事も学生にとっては一大事だったり。
《七十ニ家房客》のようにひとつの物語に収斂することなく、とにかくいろいろな話の断片がつまっていて、かなりとっちらかってしまっている。ただ、映画の中に少しだけ出てくる73年の香港の街が何よりも興味深い。
同じシチュエーションの映画は、《七十ニ家房客》(1963年、王為一:監督)→《七十ニ家房客》(1973年、楚原:監督)→《香港73》(1974年、楚原:監督)→《82家房客》(1982年、李沛権:監督)の順。


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