通りを封鎖して撮影

《傷城》は中環のSOHO地区でのロケについて政府に申請、2日間の道路封鎖の許可を得たため、ショバ代を取られることは無くなった。撮影当日は警察が人を出して協力してくれる。ショバ代は以前はよくあったこと。撮影を邪魔されない為の旧式の方法だった。しかし映画製作も徐々に形式ばってきて、ショバ代は経費に計上できなくなっている。新しい世代の映画製作人は、このような事態に遭遇した時には、警察に助けを求める以外方法がない。またバックが複雑な映画会社でさえ、このようなことに遭遇した場合は警察に訴えている。
成龍ジャッキー・チェン)が数年前香港で《ラッシュアワー2》を撮影した時、通りを封鎖して撮影するのに、50万香港ドルをショバ代にと要求されたという。
映画製作を奨励している地域では、通りを封鎖しての撮影はそんな大掛かりなこととではない。現場に人を出して協力させればいい。しかし映画会社が費用を出さなければならないだろう。大掛かりなアクション映画を除いて、香港では通りを封鎖しての撮影は比較的少ないといえる。ごく普通のシーンで交通を阻害しない程度なら、申請も必要なく、自由に撮影できる。もし手続きが簡素化されるなら、どんな撮影でも申請するのは当然だとは思うのだが。
通りを封鎖しして撮影すると、付近の商店には影響が出るかもしれない。従って関係者は各商店の同意を取り付ける必要があるだろう。外国でも似たような場合があり、映画会社が保障をしている。
またよく事態を理解しているところでは、商店は目先の儲けを考え、金額を提示するのではなく、理屈にあった金額を提示している。なぜなら撮影期間中は不便で、多少の損をするかもしれないが、映画が出来上がった後、結果がよければ、撮影場所が観光地に変わり、それによる収入増も少ないないと考えるからだ。
実際のところ、ヒットした映画やドラマの撮影場所が、人気の観光地になっている例は多い。商店は目先の利益だけを考えてはいけない。ある場所が映画製作の中心になるためには、政府と民間が協力することが必要だ。将来を考えることで、都市は美しく変わっていくのだ。by 2006.7.22「明報」郭繾澂 記

いろいろな映画をどんどん香港で撮影していいと思う。外国映画もどんどん誘致してしまおう。撮影隊が長逗留すれば、それによって落ちるお金もばかにならない。アクション映画なら、御当地香港のアクション俳優やスタントを使ってくれるかもしれない。映画人の就業機会も増えるかもしれない。また、それによって観光都市としての価値も少しは上がるのではないか。外国映画によって、たとえ間違った解釈をされたとしても、それはそれ。そんなことで上映禁止にするような、香港は了見の狭い場所じゃないし。そんなところがあるのかと来てみれば、全然違う、なんてことがあったとしても、来てもらう動機付けにはなるのだから、それでいいのではないか。