「香港經典龍虎門」

左から葉偉信と黄百鳴出席:呉偉明、黄玉郎(ウォン・ヨックロン)、黄百鳴(レイモンド・ウォン)、葉偉信(ウイルソン・イップ) 
司会:何故


出席者は、みな忙しいということで、座談会は1時間のみ。録音するつもりだったが、ICレコーダーが途中で電池切れ(トホ)。これ録音の性能はいいが、電池がいつきれるのか全然分らないのが玉に傷(さっきまでフルだと思ったら、あっというまに電池切れになる)。単4電池1つなので、持たないんだろうなとは思うのだが。まあそれはさておき、漫画と映画の関係についての話しを少しだけ書いておく。

アメリカには《スーパーマン》にしても《バットマン》にしても、漫画を元にした映画がたくさんある。しかし中国(大陸)には、そういうものがない。まず大陸には漫画というものがないのだが。それで、中国で漫画を原作にするものがあってもいいと考えた。
《七剣(セブンソード》は、香港ではまあまあだったが、大陸ではヒット。これを見て自信がついた。香港を代表する漫画はなんだと考えたら、それは《龍虎門》。これで大陸市場も狙おうと考えた。大陸では審査を通らないと撮影できないし、上映できない。最初に脚本を見せた。すると大陸の方では、これは「民初片」だね?と言う。そこで、これは特定の時代の話ではないと説明した。古装片ではないし、民初片でもなく、現代劇だが、これは漫画の世界なのだと話した。これを納得してもらったら、あとはスムーズだった。
漫画の世界じゃないと、現代なのに、どうして銃はないんだということになるし。

これは、30数年続く漫画で、最初は1970年頃の話しで、当時の世相を反映していた。いま、この70年代の話しをそのまま映画にしても誰も見ないし、長いストーリーのどの部分を撮るというのは重要な問題。それに読者(漫画のファン)が満足するかどうか分らない。だから、風景は高層ビルが立ち並んでいて、その中に70年代のような古臭いような建物がある。年代はなく、あくまでも漫画の中の世界だ。しかし当然、漫画の中のエッセンスで残さなくてはならないものがある。親子の情、兄弟の情など残さなくてはいけない部分を残して、新しいパッケージで作った。

続編はゆっくり考える。焦っていない。まず3人の登場人物を説明したので、あとはどうでも撮れる(笑)。最初が肝心だから。今度はどういう新しい人物を登場させるのかなど、読者の意見を聞き、参考にしていきたい。じっくりと練っていいものを作る。早くても07年の撮影で、上映は08年ごろになるだろう。

短いが、こんなところ。初見で感じたことは、意外に間違っていなかったようだ。
葉偉信監督、疲れているように見えたが、次回作《殺破狼2》の準備に忙しいのか。ちなみに9月から撮影するそうだ。