生日快樂

《生日快樂》
古天樂(ルイス・クー)、劉若英(レネ・リュウ)、曾寶儀(ボーイ・ツァン)、周俊偉(ローレンス・チョウ)、呉耀漢(リチャード・ン)、呉嘉龍(カール・ン) 
馬楚成(ジングル・マー):監督


1組のカップルの10年にわたる話し。
小南(古天樂)と小米(劉若英)は学生の時に知りあい、誰もが似合いのカップルだと思っているが、小米は子供時のトラウマから、誰からも安心感を得られないし、自分に自信がない。そして小南のまわりにはいつもたくさんの女性がいる。小南と小米は、お互い惹かれているが、一歩を踏み出せず、相手を完全には信じられない小米の性格のせいで、友達以上恋人未満から抜け出せないでいた。留学で離ればなれになり、別の誰かとつきあっていても、2人は依然として互いが最も大切に思う存在だった。しかし小南が一歩踏み出そうとすると、小米はそれに応えられない。小米がついに一歩を踏み出そうとしたとき、唐突に小南は結婚するといい、その後上海へ行ってしまった。しかしその後も、毎年小米の誕生日には「生日快楽」と携帯にメールが届いていた。けれど今年の誕生日は遅れてメールがやってきた・・・。


先のインタビュー(id:hkcl:20070107#p1)にもあるように、泣かそう泣かそうという演出はなく、比較的淡々と語られてゆくのだが、淡々と語られて終わってしまった。かなりいろいろなエピソードが出てくるのだが、なぜかエピソードの積み重ねが情感の襞になるには足りず、なんとも中途半端。また物語は2人の共通の友人であるD(周俊偉)の語りが所々に入り進んでいくのだが、彼の使い方も中途半端。
劉若英は、少々変わった女性をうまく演じていたとは思う。彼女、吹き替えだと思うのだが、その声が劉青雲ラウ・チンワン)妻・郭藹明(エイミー・クォック)にそっくり(彼女が吹き替えたのだろか?)。
古天樂は、一生懸命普通に演じていたのだが、スーツを着るとやはり普通に見えないし、色が黒すぎる(笑)。さらに性格付けに少々問題あり。こういう役なら、女性に優しく人気がある程度にしておくか、いくらモテても、やんわりと相手をやりすごし、他の女性には手を出さないという方が見ていて理解しやすいのでは。
また(ねたばれになるので、詳しくは書けないが)結末の付け方は少々変わっていて、映画としてはこれはこれでいいとは思うのだが、古天樂のこの方法は、非常に自己中心的だし残酷だ。真実を告げるか、もし真実を告げず立ち去るなら、以後は何もしない方が相手のためではないのか(見てない人にはよくわからない文章で申し訳ない)。
画面は、ポスターのように全体白っぽくしており、雰囲気もありとても綺麗。日本ロケもあり。クレジットによるとマカオでもロケしていたようだが、映画のどのシーンがマカオなのか分からず。2007.1.18@新寶戯院


■□07年に見た映画一覧□■