四騎士

《四騎士》
姜大衛、狄龍、陳観泰、王鍾、井莉、倉田保昭 張徹:監督 1972 邵氏 DVD


韓国戦争が終わった1953年の韓国が舞台。退役軍人(中国人なのに韓国戦争に服役)の4人。1人は軍隊からジープを盗んでソウルにやってくる。1人は、病院にいるやはり退役軍人を訪ねて。1人はソウルのバーで無為な日々を過ごしていた。うちの1人(狄龍)が、麻薬密売組織にはめられ、運び屋のアメリカ軍人殺害の罪を着せられる。3人は彼を救い出し、組織に挑んでゆく。


タイトルバックでは、風が吹きすさぶ音とともに、意味もなく雪の風景が映し出される。しかし話の始まりでは雪景色は消え、木々に緑の葉が茂っている。
4人の退役軍人は、姜大衛、狄龍、陳観泰、王鍾、張徹のお気に入り俳優たちで、キャラクターは、退廃的な雰囲気の姜大衛、奔放な狄龍、ロマンティックで激情型な陳観泰、明るい王鍾。負傷して病院にいる陳観泰が思いを寄せる看護婦が井莉、2人は病院に蓄音機を持ち込んでクラシックなど聞いている(笑)。悪の巣窟のクラブ支配人に倉田保昭。黒幕はアメリカ人。
電影資料館刊の「張徹 回憶録・影評集」によると、実際に韓国ロケをし、政府が武器や軍備の貸し出しをしてくれたと書かれている。しかし、クラブの中にはハングル文字が装飾のごとく書かれていたり、支配人の部屋には鶴の屏風があったりと、かなりとんでもなセットもあり。韓国では公開されたのだろうか?
始まってかなりの時間、台詞が極端に少ない。お決まりの血のりやスローで苦痛によじれる身体は最後の方に登場。しかしいまひとつ、カタルシスが得られない。ホモソーシャルもいまひとつな感じ。倉田保昭はダブルのスーツ着てかっこいいこと。だからいっそ、倉田保昭が男に嫉妬するぐらいのインパクトが欲しかったかも(笑)。
姜大衛は周杰倫ジェイ・チョウ)に似ているのだが、近藤正臣にも似ていると思う。


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