美女食神

《美女食神》佘詩曼(セ・シーマン)、李克勤(ハッカン・リー)、張達明(チョン・ダッミン)、王晶バリー・ウォン/ウォン・ジン)、鄭希怡(ユミコ・チェン)、元秋(ユン・チャウ)、劉洋 
鍾少雄(ビリー・チョン):監督


阿詩(佘詩曼)は、時にモデル、時にエキストラ、時にビールガール。父親は元チンピラで、若い彼女をつれた駄目オヤジ瀟洒哥(王晶)。阿詩は料理ベタ、インスタントラーメンも満足に作れない。
そんな阿詩が、「点心の王」を決めるイベントで食品会社のぼんぼん堅堅(李克勤)と知り合う。堅堅は、点心の王で優勝した北派伝統を受け継ぐ料理人の娘で一流の腕を持つ米玉瑩(劉洋)を家に送りとどけた帰りに、何者かに誘拐される。堅堅はビル屋上の小屋に監禁されたが、あろうことかそこは、阿詩が住んでいるビルの屋上。逃げようとして屋上から転げ落ちた彼は、阿詩の家の物干にひっかかり阿詩に助け上げられる。誘拐犯をうまく巻いた彼は、誘拐されたことにして、しばらく自由の身を味わうことにした。
髪型も洋服も替え、いままで足を踏み入れたことのなった下町・旺角で自由を満喫した堅堅は阿詩と意気投合したのだが、やはり見つかって連れ戻されることに。堅堅は阿詩を母親に紹介するが、そこにはくだんの一流の腕を持つ娘がまっていた。母は「家の嫁は一流の腕を持った料理人でなくては困る」と宣言。阿詩と玉瑩が料理で対決、勝てば嫁にしてもよいという。阿詩は逃げるようにその場を離れるのだった。しかし父が黙ってはいなかった。かつての恋人で南派の料理人を継ぐ林青霞(元秋)がマカオに居ると知り、阿詩を弟子にしてもらうように頼むのだった。果たして阿詩の料理の腕はあがるのか・・・・。


監督は鍾少雄だが、もちろんこれは王晶映画。《少林足球(少林サッカー)》組みの田啓文(ティン・カイマン)、林子聰(ラム・ジーチョン)、黄一飛(ウォン・ヤッフェイ)、如花も登場、元秋もいる。料理にもカンフー(というか内功)が必要で、内功の受け渡しは、葉偉信(ウィルソン・イップ)がファイル転送なら、こちらはインジケーターで表現。でもやっぱり背中から。美味しいものを食べるといろいろなイメージが浮かぶ。母の懐に抱かれているような感じとか、恋初の感覚とか、この辺《食神》と同じ(笑)。意味もなく登場するマカオ(笑)。王天林(ウォン・ティンラム)、王晶の歌にほとほと飽きれる図なんていう場面もあり。
佘詩曼は、TVB女優だけあって、コメディはお手のもの。映画業界女優不足なんだから、もっと出てもいいのでは。李克勤は、母に頭のあがらないおぼっちゃま君で、よわそうなキャラがよく似合う。最初の眼鏡で黒髪の方がいいかも(笑)。
今回は徹底的に悪いヤツというのが登場しない。本来なら憎まれ役のはずの劉洋も、いい子になっているのは、王晶お抱え新人だからか。とにかくお気軽に楽しめる1本をきちっと作る王晶ということで。
2007.3.10@新寶戲院


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