頻果(ロスト・イン・北京)

《頻果》梁家輝(レオン・カーフェイ)、范冰冰(ファン・ピンピン)、金燕玲(エイレン・ジン)、佟大為(トン・ダーウエイ) 
李玉(リー・ユー):監督


劉頻果は、北京の足マッサージ店に未婚だといって働いている。夫の安坤(佟大為)はビルの窓ふき。劉頻果はある日、よっぱらって店の社長・林東(梁家輝)の部屋で寝てしまい、林東は出来心で頻果と関係を持ってしまう。それを頻果の夫が見つけ、林東から慰謝料を取ろうとする。さらに林東の妻(金燕玲)に夫の行状を訴え金を取ろうとするが、この2人も関係が出来てしまう。そのうち頻果の妊娠が分かる。林東の子に違いないと思った安坤は、さらに金を取ろうとするのだが・・・。


始まってすぐにいきなり狭い風呂場で范冰冰と佟大為がからまる。しばらくすると、梁家輝と范冰冰がもつれる。さらに少したつと佟大為の上に金燕玲がいる。そんな場面ばかりかと心配になる。後半になると少々おもむきが変わって、自分の子供が出来たかもしれないと思った梁家輝は、最初は不服そうながら途中から嬉しくなってしまい、かいがいしく范冰冰の世話を焼き、子供が生まれたら、自分たち夫婦が育てようと考える。しかし金燕玲は複雑。子供と妻を金に変えてしまった佟大為は、だんたんと心がやさぐれていく。2組みの夫婦がぎしぎしと不具合を起こしていき、子供が生まれたところからさらにそれが顕著になっていく。最後はむなしい終わり方で、後味が悪かった。


昨日の《色・戒(ラスト、コーション)》に続きこれもIII級だった。昨日とは違うリアルさ。梁家輝はまたも尻が。范冰冰も佟大為もこんなことして大丈夫なのか。ネットで調べると大陸では公開時(広州では公開されたはず)に、やはりカットした部分があるようだ。この上映バージョンはノーカットだろうか? 《色・戒》の影に隠れて誰も言及していないが、これも中国映画にしたらリアルなシーンありで、意外に問題作かも。
2007.9.26@Place IFC「香港亞洲電影節2007」 


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