熱鬧

ドキュメンタリー 王我:監督


《熱鬧》英語タイトルの《Noise》が示すように、爆竹のような音が延々と聞こえたり、不審なものが浮いている川に人々が集まってきて、口ぐちに何か言っていたり、街のノイズがつぎつぎと画面に脈略なく登場する。
最後が怖い。天安門広場に若者があふれ、旗を振り歌を歌い口ぐちに何かをさけぶ。そこにバイクや車に乗った若者たちがまたも旗を振り、車に箱乗りして暴走する。実は彼らはオリンピックの北京開催を歓ぶ若者たちだ。しかし見ていて怖くなった。オリンピッック開催がそんなに嬉しいのではなく、ただ抑圧のはけ口としての行動と思える騒ぎっぷり。この若者たちを煽動すればどんな破壊行為だって可能だ、簡単に暴徒になりうる。そしてそこに登場する公安たち。ここでまた怖くなる。夜の北京の風景をカメラが忙しく映し出すと、そこに爆発音のような効果音がかぶさる。夜景の一部が何かの爆発のように光る。最後に夜空に花火がけたたましく上がって映画は終わる。怖い映画だった(笑)。
2007.9.27@百老匯電影中心「香港亞洲電影節2007」


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