青梅竹馬(タイペイ・ストーリー)

《青梅竹馬》侯孝賢、蔡琴、柯一正、呉念真 
楊徳昌エドワード・ヤン):監督 1985年


隆(侯孝賢)と貞(蔡琴)、幼なじみのカップルの微妙な心理が台北を舞台に描かれて行く。
日本人と結婚している女性、アメリカへ行った親戚、台湾の廸化街の布地屋、台湾の建築、カラオケ「銀座」、今見ると映画に現れる人や物がとても興味深く、映画が撮影された当時の台湾の状況が垣間見えるようだ。


楊徳昌を見る時にはこちらの心理状態が好くないと、大いに疲労し辛い気持ちになるといった印象があって、上映が分かっていっても見に行くのをためらう。これまで見た作品はたぶん3作品しかないのだから、そのどれかでそういう印象がついたのだろう。最初に見たのは《恐怖分子》で、次が《獨立時代(エドワード・ヤンの恋愛時代)》、3つ目が《麻将(カップルズ)》。《牯嶺街少年殺人事件(クーリンチェ少年殺人事件)》は見ていない。
都市生活者の憂鬱というか、出口が見つけられない見通しの悪い世界に入れられたような感覚が、見ていて辛くなる所以かもしれない。この作品でも、微妙な均衡で保たれている2人の関係が、憂鬱な気分をもたらして、見ていて苦しくなってしまう。ただし今は、こちらが十分に歳を取っているので、以前ほど自身の感情に左右されることなく見られるのだが・・・(笑)。
2008.4.12@香港国際電影節(藝術中心)


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