《葉問》問題いろいろ

《葉問》詠春拳一代宗師・葉問を元にした武術映画《葉問》は、映画のタイトルについて、王家衛(ウォン・カーワイ)と競作になりひと騒動あった。映画会社社長の黄百鳴(レイモンド・ウォン)は、《葉問》はいままでもこれからもこの映画のタイトルだという。「中国の出資者が、葉問はまぎれもない一代宗師だとしタイトルの変更を要求してきた。各方面の意見を尊重し、映画会社はタイトルを《一代宗師・葉問》とした。ところがこのことが思いもよらず争論になってしまった。このタイトル問題を収束させて、中国の出資者や総顧問の葉準師匠、そして監督と検討し、各方面の意見がまるく収まって欲しいと思っている」
黄百鳴は、1つのタイトルで同業者が争うのは意味がない、みな映画が大事なのであって、名前は二の次。「現在香港の映画産業は同業者間の協力が必要だ。なぜなら団結してこそ大きな力になるからだ」と話した。


また監督の葉偉信(ウィルソン・イップ)は、物語中の李小龍ブルース・リー)役を公募したいと考えている。「探しているがぴったりの役者を見つけられない。さらに李小龍の役は適当に探せるものではない。従って全世界から李小龍を探す計画をたてている。この方法で《葉問》の李小龍に最も相応しい人が見つけられるといい。全世界には沢山の李小龍ファンがいる。見つけられる可能性は大きいと信じてる」by 2008.6.5「文匯報」

物議をかもした映画のタイトルは、元のとおり《葉問》に落ち着いたようだ。ポスター(写真)にも「ip man」とはっきり。

《神探》に出演した安志杰(アンディ・オン)は葉偉信(ウィルソン・イップ)監督に認められ、今年2月葉偉信は東方公司が出資する《一代宗師・葉問》への出演を彼にオファーした。安志杰は大いに喜び、すぐにマネージメント会社の中国星が交渉をし、2月下旬に3万香港ドルの手付け金を手にしたが、残り10万香港ドルのギャラは未だに払われていない。中国星の李小姐は昨日電話インタビューに答えて、「映画会社は最初、安志杰は3月初めに上海でクランクインだと通知してきた。しかし出発の1日前になって3月末に伸びたという知らせを受け取った。制作会社は電話をしてきて彼を使えないといったが、10万香港ドルのギャラはまだ受け取っていない」と話した。


4月30日安志杰と東方電影の契約は満期になったが、東方電影はこの件について何も説明をしていない。李小姐は「私たちはすでギャラの未払いについて何度も手紙を送っている。しかし東方電影は私たちを無視している。彼らの都合で安志杰を使わないのだ。契約書にサインをし手付け金も支払って、今になって使わないというのは、私たちの責任ではない。だから契約に従って東方電影は10万香港ドルのギャラを払わなければならない。安志杰は葉偉信監督を評価しており今回オファーを受けるにあたってギャラは半分にしている。ディスカウント価格を提示しているが、残りのギャラを払ってくれないのなら、会社ができるのは法律に訴えることだけで、本日中に東方電影に弁護士から手紙をだすだろう」。


東方電影の陳小姐は昨日、記者に答えて、「今回、安志杰を使えないのは、大陸との割合の問題。合作映画には必ず一定数の大陸の俳優が必要なため、最終的に彼を犠牲にするしかなかった。契約したが会社は彼を使えなかった。私たちは、契約を次の作品に繰り越したいと話したが、中国星は同意しないので、私たちにはなす術が無い。もし彼らが訴えるならただ戦うだけだ」by 2008.6.5「頻果日報」

「合作映画には一定数の大陸の俳優が必要だ」、今は3分の1だっただろうか・・。
契約を次の作品に持ち越してしまおうとし、それに同意しないならなす術はないという考えに驚く。